幕内・遠藤が故郷の穴水町を慰問「逆に励まされた」 地元の相撲仲間とも再会「一緒に頑張りましょう」

[ 2024年2月7日 05:11 ]

穴水町の避難所で、穴水少年相撲教室の子供たちに救援物資を手渡す遠藤(撮影・前川 晋作)
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 大相撲の石川県出身力士らが6日、能登半島地震で被害を受けた被災地を慰問した。参加したのは、穴水町出身の幕内・遠藤(33=追手風部屋)、津幡町出身の大の里(23=二所ノ関部屋)、七尾市出身の十両・輝(29=高田川部屋)の3関取と同じく七尾市出身の竹縄親方(元関脇・栃乃洋)。全員で役場や避難所を回り、被災者に元気を与えた。

 遠藤は、この日回った3カ所(内灘町、七尾市、穴水町)で最も被害が深刻な穴水町の出身。倒壊した家屋や隆起した道路を目の当たりにしながら故郷へと足を運び、避難所「さわやか交流館プルート」を訪れた。ここは、自身が獲得した三賞のトロフィーなどが飾られた「遠藤関相撲展示室」として地元ファンに親しまれている場所でもある。その一室は現在、避難所生活を余儀なくされた人々約150人が暮らす生活の場となっていた。

 遠藤の実家を含む町内全域はいまだに水道が止まっている状況。「時間がかかるとは思いますが、必ず元の日常に戻る日が来ると思います。僕も土俵で頑張るので、皆さん一緒に頑張りましょう」と呼びかけ、地元の被災者たちに寄り添った。

 避難所には、遠藤が小学生時代に通った穴水少年相撲教室の子供たちも訪れた。その相撲少年の父親として来ていたのは、かつて遠藤と一緒に稽古を積んだ3学年先輩の東大晃さん(36)。約20年ぶりの再会を果たし「聖大(遠藤の本名)、覚えてたか」と声を掛けて笑顔を交わした。

 穴水少年相撲教室で指導者を務める小向健太さん(30)は金沢市立西南部中出身で、遠藤の3学年後輩、輝の1学年先輩にあたる。かつての稽古仲間の来訪に力をもらい、帰り際は力士たちを乗せた車が見えなくなるまで見送っていた。

 慰問へ訪れる前に「伝えたいことは山ほどある。現実を受け止める心構えをしっかり持っていきたい」と語っていた遠藤。「笑顔が見られてうれしかった。元気を届けるために来たけど、逆に皆さんの姿を見て元気になりました。励まされました」。この日、被災者たちに何度も優しく語りかけていたのは「一緒に頑張りましょう」という言葉。励まし、励まされ、故郷への思いを胸に、これからもともに闘っていく。

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