36歳の元幕内・東龍が引退…両膝のケガと闘い、今年初場所では史上1位のスロー初勝ち越しも

[ 2023年12月25日 17:20 ]

東龍(23年3月撮影)

 日本相撲協会は25日、元幕内・東龍(36=玉ノ井部屋)が現役を引退すると発表した。東龍は関取残留へ後がない西十両14枚目の地位で臨んだ九州場所、初日の取組で左膝を負傷して2日目から休場。初場所の番付は東幕下13枚目だった。

 モンゴル出身の東龍は、03年に15歳で来日。高知・明徳義塾高へ相撲留学し、卒業後は九州情報大学に進学した。3年の秋に中退して玉ノ井部屋へ入門。09年初場所で前相撲から初土俵を踏んだ。入門から4年、13年初場所で新十両に昇進し、同年夏場所で新入幕を果たした。14年名古屋場所14日目の逸ノ城戦で右膝を大ケガ。その後は十両でも負け越しが続いて幕下まで番付を落とした。15年九州場所で十両復帰を果たして以降は関取の座を守り続け、幕内と十両の往復が続いた。

 昨年九州場所で通算7度目の入幕を果たすと、今年の初場所で9勝を挙げて勝ち越し。新入幕から約10年、58場所目での幕内初勝ち越しは史上1位のスロー記録だった。

 両膝などの故障を抱えて体は満身創痍。部屋の稽古では、今場所新入幕の東白龍ら弟弟子たちに胸を出し、自身の経験を生かしてストレッチの方法なども指導していた。九州場所が行われる福岡は、大学時代を過ごした第二の故郷。思い入れのある地で、15年間の力士人生の幕を閉じた。引退会見は27日に行われる。


 ◇東龍 強(あずまりゅう・つよし)本名=サンドゥイジャブ・トドビレグ。1987年(昭62)5月12日生まれ、モンゴル・ゴビアルタイ出身の36歳。03年に来日し、高知・明徳義塾高から九州情報大に進学。2年時に西日本学生体重別大会無差別級優勝。3年時に西日本学生選手権準優勝。中退して玉ノ井部屋に入門し、09年初場所で初土俵。13年初場所で新十両。同年夏場所で新入幕。19年九州場所で十両優勝。幕内在位11場所。幕内成績62勝88敗15休。通算成績528勝522敗47休。1メートル92、155キロ。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年12月25日のニュース