坂本花織 3年連続4度目V 7本全ジャンプ成功 2位以下に20点以上の差 さあ世界選手権3連覇へ

[ 2023年12月25日 04:40 ]

フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2023年12月24日    長野市ビッグハット )

歓喜の表情でフィニッシュを決める坂本花織(撮影・小海途 良幹)
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 女子フリーはショートプログラム(SP)首位の坂本花織(23=シスメックス)が154.34点をマークし、合計233.12点で3年連続4度目の優勝を果たした。3連覇は14~17年に4連覇した宮原知子以来で10人目。3連覇が懸かる世界選手権(来年3月、モントリオール)代表に決まった。千葉百音(18=木下アカデミー)が2位、ジュニアの島田麻央(15=木下アカデミー)が3位だった。

 ボロ泣きしていた坂本に、ようやく笑顔が戻った。SP首位から迎えたフリー。冒頭のダブルアクセル(2回転半)から7本全てのジャンプを成功させ、ミスなく滑り切ると左手を振り下ろして喜びを爆発させた。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、SP、フリー、合計点そろって今季世界最高得点を叩き出した。

 「今シーズンの目標に全日本と世界選手権の3連覇を挙げていて、まず一つ目をクリアできて良かった」

 SPから2位以下を突き放し、合計で20点差以上をつけて史上10人目の3連覇を成し遂げた。圧倒的な実力を証明した裏側で、大きな重圧を抱えて苦しんでいた。

 昼の公式練習。思うようにジャンプが決まらず、調整は最悪だった。あまりの惨状に「罵倒しました」と中野園子コーチ。激怒され、控室から引き揚げてくる際には目から大粒の涙がこぼれた。夜の本番まで7時間。応援に来てくれた友達と話し、トレーナーと散歩に出かけた。沈んでいた気持ちは晴れ、何とか戦える状態になった。

 11度目の出場となった全日本で3連覇。島田麻央や上薗恋奈といったジュニア勢の台頭に、昔の自分を思い出す。

 「中学生の頃に“シニアの選手に勝ちたい”という気持ちがあった。でも、自分も頑張って踏ん張らないと、という気持ちがある」

 感情の起伏がありながら、シニアとしての意地を見せた23歳。今度は再び世界女王の称号を懸けた戦いに挑む。 

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