世界と戦うための改革実りパリ切符 初の外国人指揮官・ブラン監督 分裂寸前チームを立て直した人心掌握術

[ 2023年10月7日 22:09 ]

バレーボール・パリ五輪予選男子東京大会兼W杯第6日   日本3-0スロベニア ( 2023年10月7日    東京・国立代々木競技場 )

<日本・スロベニア>喜びを爆発させる日本の選手たち(撮影・小海途 良幹)
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 4勝1敗で五輪出場圏2位の日本は、3位のスロベニアを3―0で下し、4連勝を飾った。ストレート勝ちなら五輪切符獲得が決まる大一番で第1セット25―21、第2セットも25―22で連取に成功。勝負の第3セットも25―18で奪い、見事に五輪出場権を獲得した。08年北京大会以来となる予選での五輪切符獲得となった。

 立役者として、フィリップ・ブラン監督の名前を挙げることに異論はないだろう。

 母国フランスの監督として02年世界選手権で銅メダル獲得。ポーランドのコーチとして14年世界選手権優勝。手腕を見込まれ17年日本代表コーチに招へいされ、21年東京五輪後、監督に昇格した。

 日本男子は、72年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得するなど70年代まで世界トップレベルを誇ったが、80年代以降は低迷した。日系人以外で初の外国人指揮官となったブラン監督は改革に着手した。

 日本ではあまりやっていなかったサーブをオーバーハンドでレシーブする技術を植え付けた。世界と渡り合うためにサーブ、スパイクを強化。各選手の所属チームに足を運び、個々に課題を与えてスキルアップを促した。

 選手をまとめる人心掌握術にもたけている。エジプトに逆転負けした翌日にはミーティングを実施。選手を前に「我々は世界の舞台でメダルを取れるほど実力を付けた。調子が悪い時こそ成果を思い出してほしい。このチームならやり遂げられる」と語りかけ、分裂寸前だったチームをまとめた。

 それらの教えを、チームが見事に体現。パリ五輪切符獲得へとつなげた。

 ◇フィリップ・ブラン 1960年5月20日生まれ、フランス・モペリエ出身の63歳。現役時代はウイングスパイカーで、フランス、イタリアでプレー。フランス代表として88年ソウル五輪出場。01年フランス代表男子監督就任。02年世界選手権銅メダル。04年アテネ五輪出場。17年日本代表コーチ就任。21年東京五輪後、同監督就任。

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