36歳・織田信成、現役復帰2シーズン目で4回転トーループ着氷「スケーターとしての矜持取り戻す」

[ 2023年8月26日 22:02 ]

全大阪2フィギュアスケート選手権 ( 2023年8月26日    大阪府立臨海スポーツセンター )

演技を終え笑顔を見せる織田信成 (撮影・中辻 颯太)
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 選手権男子が行われ、昨年11月に現役復帰した10年バンクーバー五輪7位の織田信成(大阪スケート倶楽部)がフリーの演技を披露し、140・78点で2位となった。選手権男女はフリーのみで競われ、友野一希(上野芝スケートクラブ)が147・40点で優勝した。

 今季、新たに挑むフリーが、ブノワ・リショー氏に振付をお願いした「エンジェルズ」。冒頭、まずは4回転トーループを着氷する。続く3回転ルッツはやや乱れたが、トリプルアクセル(3回転半)―オイラー―3回転サルコーの連続ジャンプを降りる。3回転ループ、後半のフリップ―トーループの連続3回転は着氷。終盤のアクセルやルッツは回転が抜けたが、華麗なスピンやステップでも観衆を魅了した。

 「昨シーズンに復帰して、4回転を跳べなかったことが心残りだったので。今シーズンはオフから瞬発的な力を試行錯誤しながら(練習を)やってきました。(4回転トーループは)回転不足という判定になったけど、片足で降りられたんで良かった」
 プロスケーターとして活躍していた織田は、昨年11月に開催されたフィギュアスケート大阪府民スポーツ大会/国体派遣選手選考会で、3247日ぶりに競技会に参加。「もののけ姫」に乗ってトリプルアクセル(3回転半)などを成功させ、146・05点をマークして復帰戦を優勝で飾った。

 その後、国体成年男子の大阪代表に選ばれ、今年1月に八戸国体に出場。来季も現役を続ける意志を示していた。

 アイスショーを重ねながら、必死に練習を続けてきた。現在は瞬発力を重点的に鍛えているために持久力に不安を残しているが「1個1個のジャンプは良くなってきた」と手応えを口にする。今後は4回転トーループ2本の構成にもチャレンジしようとしており「僕の時代的には4回転が2本だった。若かりし頃の自分に追いつけたら」と前を見据える。

 ブノワ・リショー氏に振付をお願いしたのは、22年北京五輪で見たプログラムで「すごく素敵だな」と思ったから。申し出ようとしていた矢先、リショー氏からダイレクトメールが届き「来シーズンも(競技を)やるなら、いつでも言ってね」と書かれてあった。相思相愛でフリーを託した。

 SPは、宮本賢二氏が振付をした「白い雲」。二つの新たなプログラムとともに、全日本選手権を目標に据える今季に挑む。
 「自分を全然知らない人が“あの人、36歳らしいで”“え、マジで?”みたいな会話が発生したらいいなと。この年で復帰した理由が、やっぱり、スケーターとしての矜持を取り戻したいから。若者に追いつけ追い越せで頑張っていきたい」

 9月の近畿選手権の出場を予定しており、一歩ずつ全日本を目指していく。

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