【丸山茂樹メジャー基準】アプローチの大切さを見つめ直す必要がある 全英OP見て改めて痛感

[ 2023年7月22日 18:47 ]

<全英オープン・第2ラウンド>2番、ティーショットを放つ松山英樹(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 松山は2日目もよく耐えました。ラウンド中、左腕をマッサージするような仕草も見られました。詳しい状況は分からないけど、痛みがあるのかも知れない。体の不安を抱えながらも、通算イーブンパーにまとめているのだからさすがです。

 何が良かったかと言えばまずアプローチです。16番では第2打がバンカーの縁に止まり、アドレスが取れない状況に陥りました。バンカーの縁に立つのではないかと思っていましたが、バンカー内にスタンスを取り、クラブをかなり短く握って打ち、タップインできるところまで寄せてパーセーブしました。

 恐らく普通に打つよりも難易度の高いアプローチだったでしょうが、今まで培ってきた技術への自信があるからこそ、思い切って選択できたのだと思います。本当に素晴らしいショットでした。

 リンクス特有のポットバンカーは小さくて深いので、難しい体勢から打たなければならないこともある。リンクスはより対応力が試されるコースなのです。日本のコースでは常にいいスコアをキープできるのに、なぜこういうところに来るとなると、いつものゴルフができないのか。やっぱり小技に大きな違いがあるんじゃないかなと思うんですね。

 現代ゴルフではティーショットのアドバンテージが凄くフィーチャーされますけど、海外で戦うためには、アプローチの大切さを見つめ直す必要があると改めて感じますね。

 日本勢ではもう1人。星野が決勝ラウンドに進出しました。途中までカットラインを下回っていながらズルズルいかないで、終盤にスコアを伸ばして予選を通過したことは称賛したいですね。
 15番のチップインイーグル、しっかりとしたコースマネジメントで奪った18番のバーディーは欧州ツアーなどでの経験が役立ったように見えました。

 18番はパー5で2オンを狙う選手も少なくない。ただ1Wを握ってティーショットからチャレンジするなら2オンを狙うのは分かるけど、ティーショットで3Wを持つなら第2打は刻んだ方がいいのではないか。カットライン上でバーディーが欲しい状況でもグリーンを狙わずにレイアップして第3打をチャンスにつけた星野のマネジメントは凄く良かったと思いますね。

 予選ラウンドを終えてハーマンが2位に5打差をつけて1人飛び出した格好ですが、優勝の行方はまだまだ分かりません。松山も3日目にいいスコアを出せば優勝戦線に入ってくるはずです。特に天候が崩れれば、全英オープンは何が起こるか全く分からない。それがこのメジャーの面白さでもあるのです。(プロゴルファー)

続きを表示

この記事のフォト

スポーツの2023年7月22日のニュース