【玉ノ井親方 視点】三つ巴V争い 北勝富士は負けたが良い相撲 豊昇龍の千秋楽、伯桜鵬は不気味な存在

[ 2023年7月22日 20:15 ]

大相撲名古屋場所14日目   ○伯桜鵬(突き落とし)北勝富士● ○豊昇龍(小手投げ)若元春● ( 2023年7月22日    愛知・ドルフィンズアリーナ )

<大相撲名古屋場所14日目>北勝富士(右)の押しを、土俵際で耐える伯桜鵬(撮影・椎名 航)
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 伯桜鵬の土俵際の粘りが光った一番だった。立ち合いすぐに左四つに組んだが、じりじり押していたのは北勝富士の方だった。伯桜鵬の下手が離れて土俵際まで押し込まれたものの、そこから右に回り込みながら半身になって相手の突進をかわし右から突き落とした。

 北勝富士に下から突き上げられても腰の位置が変わらず、浮き上がらなかった。それだけ腰が重かった証拠。新入幕とはいえ、相当力をつけて十両から上がってきたということだ。

 ただ、負けたとはいえ北勝富士も良い相撲を取った。最初に組んだのが左四つではなく、右四つだったら結果も変わっていただろう。内容的には悪くなかった。千秋楽の錦木戦も思い切って当たれるはずだ。

 豊昇龍は若元春に変化されたが、相手の動きによくついていった。左を差されても小手投げで横転させた。勝負どころでの足腰の強さはさすがだった。

 優勝争いは3人に絞られた。番付上は豊昇龍が優位だが、12日目に苦杯を喫した北勝富士の勢いもあなどれない。千秋楽に対戦する伯桜鵬も終盤に入って5連勝と乗ってきている。豊昇龍にとっては不気味な存在だろう。
(元大関・栃東)

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