成田美寿々＆二所ノ関親方「コレができれば80台!!」②　飛んで曲がらないティーショット

[ 2023年4月21日 12:00 ]

　ある程度飛距離を出して、ボールの曲がりを抑えられれば、一気にスコアを縮めることができます。二所ノ関親方（元横綱稀勢の里）は飛距離に関してはトップアマクラスですが、方向性に少々難があるとのこと。成田美寿々プロはその原因が力みにあると指摘します。ゆったり振れば軌道が安定して逆に飛距離が伸びると言います。成田プロはあの世界的なプロのスイングも参考にしているそうです。そのコツを聞きました。【動画で見る・成田美寿々＆二所ノ関親方「コレができれば80台!!」②】

　成田　今回は飛んで曲がらないティーショットについて説明したいと思います。

　二所ノ関親方　素晴らしいですね。私が一番聞きたかったテーマです！

　成田　本題に入る前に親方に質問です。飛距離が伸びず、左右に曲がってしまうショットは、どのような時に出ると思いますか？

　二所ノ関親方　やはり、力んでしまったときでしょうか。

　成田　正解です。アマチュアの方が飛距離を出そうとすると、アドレスでは両肩がグッと上がったような力んだ形になります。そのままスイングに入っても、クラブフェースの芯でボールを捉えることができず、飛距離は伸びません。正直、めいっぱいの力でクラブを振っても、せいぜい2、3ヤードほどしか変わらないんですよね。むしろ、このホールは距離が短いからといって軽く振った時の方が飛んだりします。

　二所ノ関親方　それってもの凄く分かります。私も相撲の現役時代、リラックスしていたときの方が、しっかりと力を入れることができました。ただ、どんなスポーツでも力を抜くことって、結構難しくて…。

　成田　めちゃくちゃ難しいですよね。でも親方ならできると思います。試しに1球打ってみましょう。ポイントはリズム良く振ることです。特に、飛ばそうとすると、トップ・オブ・スイングからダウンスイングへの切り返しが速くなりがちです。上体が目標方向へ突っ込む原因にもなるので気をつけてください。

　二所ノ関親方　上体が目標方向に突っ込んでしまうと、どのような弊害が？

　成田　フェースの芯で当たらないこともありますが、遠心力を利用できないため、ヘッドスピードが上がりません。体の軸がブレないことで、初めて遠心力が働き、ヘッドスピードが上がります。スイングリズムを気にしながら、いつもよりゆっくりしたリズムでクラブを振ってみましょう。それだけでミート率が上がり、飛距離も伸びるはずです。（二所ノ関親方の打球はもの凄いスピードでフェアウエーに向かって真っすぐ飛んで行く）

　二所ノ関親方　ヨッシャー！

　成田　ナイスショットです。完璧な一打でした。

　二所ノ関親方　成田プロのアドバイスのおかげです。

　成田　親方のようにすぐ対応できれば最高ですが、そうじゃない人は、ちょっとひと工夫してみましょう。まず、スタンスをいつもより半足分ほど狭くします。クラブも指１本分ほど短く握りましょう。これだけで振り幅が小さくなり、力みによる体のブレを抑えることができます。問題はダウンスイングへ切り返す際の〝間〟ですが、アマチュアの場合、まだバックスイングが終わっていないのに、右肩を前に出す傾向があります。そういう人はトップ・オブ・スイングで一度止まるくらいのイメージを持ちましょう。実際には止まることなく、ちょうどいい〝間〟ができてクラブを下ろせるようになります。慣れるまでは練習場で鏡を見たり、動画を撮るなどしてみましょう。お勧めなのは、間がある選手のスイングをまねることです。ちなみに、私は松山英樹プロのスイングを参考にしています。コースの中では絶対に打ち急がないぞと思うだけでも効果があります。

（取材協力・大利根カントリークラブ）

　◆成田　美寿々（なりた・みすず）1992年（平4）10月8日、千葉県市原市生まれの30歳。小学6年でゴルフを始め、拓大紅陵高入学後本格的に取り組む。10年関東ジュニア優勝。日体大を経て13年プロテスト合格。日本女子プロゴルフ協会新人賞、日本プロスポーツ新人賞受賞。13年富士通レディースでツアー初優勝。14年ワールド・サロンパス・カップなどツアー通算13勝。

　◆二所ノ関　寛（にしょのせき・ゆたか＝元横綱・稀勢の里、本名萩原寛）1986年（昭61）7月3日生まれ、茨城県牛久出身の36歳。02春場所で初土俵を踏み17歳9カ月で新十両。18歳3カ月で新入幕を果たし11年九州場所後に大関昇進。17年初場所後に横綱昇進。19年初場所限りで引退。幕内優勝2回。現役時代からゴルフに親しみベストスコアは73。