17歳・千葉百音 逆転銅メダル!「夢にも思っていなかった」 羽生さん後輩26年五輪へ“始まりの音”

[ 2023年2月12日 04:30 ]

フィギュアスケート四大陸選手権第2日 ( 2023年2月10日    米コロラド州コロラドスプリングズ )

女子フリーの演技後、得点を確認し喜ぶ千葉百音(左)(共同)
Photo By 共同

 女子は初出場でショートプログラム(SP)7位の千葉百音(もね、17=東北高)がフリー自己新記録で全体2位の137・70点をマークし、合計204・98点で銅メダルを獲得した。来季からシニアに本格転向する有望株が、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場候補に名乗りを上げた。ペアSPでは三浦璃来(21)、木原龍一(30)組(木下グループ)が71・19点で首位発進。同種目の日本勢初制覇に前進した。

 新たなヒロイン候補が、輝きを放った。初出場の千葉は、得点を確認すると思わず笑みがこぼれた。フリーでは冒頭のルッツ―トーループの連続3回転が若干乱れたが、その後はノーミス。スピンも最高のレベル4でそろえ、優雅な曲調に合わせてしなやかに演じ切った。「銅メダルを獲れるとは夢にも思っていなかった。凄く驚きの感情と、うれしい感情も同じくらい」と実感を込めた。

 今大会を足がかりに、来季からシニア参戦予定の17歳。5位と躍進した昨年末の全日本選手権後も慢心はなく、大みそかも元日も汗を流す努力家だ。田中総司コーチ(40)は「繊細な子」と語る。1月は国内大会に出場しながら、標高1800メートルの高地対策として普段からマスクをつけて練習。抜かりない準備があるからこその結果だった。

 憧れは「同じリンクの出身である羽生結弦選手」。4歳からアイスリンク仙台でスケートを始めた。幼稚園児の頃からリンクに行くたび、練習終わりの羽生さんが鬼ごっこで遊んでくれた。スケートの楽しさを教えてくれた先輩が、実は凄い人だと知るのは物心ついてから。今では直接助言を受けることは難しいが、羽生さんが田中コーチを通じ「もっと練習して」と激励したこともある。どこかで気にかけられているという緊張感が、千葉の成長を後押ししている。

 今後目指すのは、東北高の先輩でもある羽生さんの活躍した五輪の舞台。「年齢的にも、次の五輪が自分の競技のピークを迎えるべき五輪なのかなと思う。そこを目指して頑張っているところ」。さらなる高みへ、確かな自信をつかんだ銅メダルだった。

 ◇千葉 百音(ちば・もね)2005年(平17)5月1日生まれ、仙台市出身の17歳。仙台市立寺岡中から21年4月に東北高進学。全日本ジュニア選手権は19年6位、20年8位、21年3位、22年準優勝。4年連続で全日本選手権に推薦出場し、22年はSPで3位に入るなど健闘の5位。ジュニアの国際舞台では20、22年チャレンジカップ優勝。4回転トーループ、3回転半を習得中。趣味は読書。1メートル55。

続きを表示

2023年2月12日のニュース