湘南乃海が十両昇進決める 夢は横綱 1メートル93の大器

[ 2022年11月30日 14:35 ]

師匠の高田川部屋と握手する新十両・湘南乃海(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は30日、福岡国際センターで大相撲初場所(来年1月8日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、神奈川県大磯町出身で24歳の湘南乃海(本名・谷松将人、高田川部屋)の新十両昇進を決めた。西幕下筆頭で迎えた九州場所で5勝2敗と勝ち越し、入門から9年で関取の座を手にした。

 湘南乃海は師匠の高田川親方(元関脇・安芸乃島)とオンラインで会見し、「うれしい気持ちがこみ上げ、感謝の気持ちも強かった。化粧まわしとか締め込みをつけて土俵に上がるのが楽しみ」と笑顔を見せた。野球一家に育ったが、稽古を見学した際に「ただ太っているだけでない。筋肉もついていてかっこいいと思った」と力士の迫力に圧倒され角界入りを決断。「君がヒーローになれ」とスカウトした高田川親方に弟子入りした。師匠も「順当にいけば3、4年前に上がっていてもおかしくなかった」と評価する素材で、1メートル93、176キロの恵まれた体を武器に幕下昇進までは早かったが、その後壁にぶつかり何度も気持ちが折れたという。しかし2勝5敗と負け越した昨年九州場所後に師匠の「(出世の)早さじゃなく、最後にどこにいるかが勝負」のアドバイスが支えとなって奮起。「我慢することを学び、自分も我慢することができた」と地道に努力を重ねた。また九州場所前の春日野部屋への出稽古でも刺激を受け、自己最高位で迎えたチャンスをものにした。 

 角界待望の和製大砲は初場所に向け、「楽しみでワクワクもありますけど、普段と変わらず一日一番、前に攻める強い気持ちでいこうと思います」と抱負を述べた。将来的な目標には「どんどん上を目指していきたい。横綱になりたい」ときっぱり。師匠は「一番努力した人が横綱で、次に努力した人が大関だ。横綱になりたいのなら、なるための稽古はどういうものなのか。自分自身を追い込んでいってもらいたい」とさらなる精進を期待した。

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2022年11月30日のニュース