国会議員と旧統一教会の「不適切な関係」はいつまで続くん 一刻も早く法整備せなあかんで

[ 2022年8月3日 08:00 ]

鳥内秀晃氏
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 【名将・鳥内秀晃の人間話 頼むでホンマ】先月8日に安倍晋三元首相が銃撃されてから、もうすぐ1カ月やな。一番大事なんは、山上徹也容疑者が、あんな凶行に及んだ原因はどこにあったんかをしっかり検証することやで。

 今回の事件で、国会議員と旧統一教会の関係がクローズアップされてるわな。久しぶりに名前聞いて、まだそんな団体があったんか、と驚いたわ。オウム真理教のサリン事件があった当時(1995年)、統一教会の霊感商法も問題になってたやん。批判をかわすために名称変更しようとして、ずっと却下されてきたのに2015年、急に認可された裏には、どんな事情があったんやろ。下村博文文部科学大臣(当時)が「NO」と言えば、ストップをかけられたのに、そうせんかった理由を今からでも国民に説明するべきやで。

 一部の議員は選挙協力を受けていたことも明かしてるし、つながりがあったことは明白やん。ビデオメッセージや祝電を送ったりすることで、旧統一教会の行動にお墨付きを与えてることが分からんのかな。一国の首相まで務めた人物がああいう形で命を奪われてるのに、何で今すぐ与党とか野党の枠を超えて、捜査せえへんのやろ。国葬はすぐに閣議決定で決めたのに、こっちの方が重要なんちゃう。

 両者の結びつきは、岸信介元首相(安倍氏の祖父)の時代まで遡るって言われてるわな。最初は「反共産主義」で連携しとったのに、いつからおかしな方向に進んでもたんやろ。とにかく、あまりに長い間、政治家が宗教団体に利用されてきたことが衝撃やわ。

 米国のメディアでは、旧統一教会と、トランプ前大統領など米政界との癒着を報じてたな。日本でも国政だけやなくて、地方議会にも息の掛かった人物を入れてる可能性が高いやん。一宗教団体があらゆるところに食い込んで、影響力を持っている現状をもっと詳しく調査せなあかんで。

 今回の件でよく分かったのが、政治家は選挙のことしか頭にないってことやな。多額のお布施で困っている人がいてるのを彼らは知ってるわけやん。それやのに、「個人のボランティアで選挙活動を手伝ってもらいました」と平気で言うてること自体、庶民と考え方にズレがあるわ。国民の生命、財産を守るべき立場の人間として、ホンマにふさわしい言動なんかな。疑問やわ。

 政治家と宗教団体の癒着があって、その狭間で苦しむ人がいて、山上容疑者のような存在が出てきたんやろな。かつての「京都アニメーション放火殺人事件」(2019年)とか「秋葉原無差別殺傷事件」(2008年)の犯人もそうやけど、社会の何かに不満を持っている人間って一定数いてんねん。政治がそういう存在を無視して、弱者を救ってけえへんかったから、ありえへん事件が起こるんとちゃうかな。宗教団体の寄付金によって家族が困っている事例に、政治家がもっと真剣に向き合っていたら、こういう惨事はなかったかもしれへんで。

 確かに日本で「信教の自由」は保障されてるねんけど、悪徳商法で儲けて、破産までさしてまうようなものって、宗教って呼んでええの?今の時点で警察、検察が捜査せえへんかったら、それに不満を持つ人がまた出てくるかもしれへんで。ホンマにマインドコントロールっていうのは怖いもんやな。こういう団体が二度と出てこんように、一刻も早く法整備せなあかん。日本は諸外国から「スパイ天国」って言われてるねんから、それを取り締まる法律を早急に作ってや。頼むで、ホンマ。(関西学院大アメリカンフットボール部前監督)

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2022年8月3日のニュース