羽川豊、古江のパッティングは天性の感覚 真っすぐ打って、真っすぐ乗せて、決めるの繰り返し

[ 2022年8月2日 04:50 ]

米女子ゴルフツアー スコットランド・オープン 最終日 ( 2022年7月31日    英ゲイレス ダンドナルド・リンクス=6494ヤード、パー72 )

羽川豊
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 【羽川豊が見た勝因】凄いゴルフを見た。最終日は5打差以内に15人がひしめく混戦からのスタート。その中で爆発的なスコアを出す選手が優勝するだろうと予想していたが、それをやってのけたのが古江選手だった。

 勝因の一つはパッティング。リンクスはボールが転がりやすく、飛距離の出ないタイプでもハンデは少ない。勝負はグリーン上。彼女のパットは他の選手に比べボールの転がりが良く、弾むようなグリーンでも全部ラインに乗って、カップの真ん中から吸い込まれた。ラインの読み方がうまく、右左どちらに切れるラインでもスクエアに構えることができたので、全部同じストロークで打てていた。天性の感覚を持っていないとできない技だ。

 しかも普通は優勝争いの重圧で手の動きが悪くなるが、全く普段通り。驚くしかない。

 ショットも同じ。軽いドロー回転の持ち球で、狙ったところにしっかり打つことができていた。3番でポットバンカーから40ヤードの4打目を1メートルにつけパーセーブ。13番では3打目を残り100ヤードから1メートルにピタリとつけた。あの2つの場面で試合の流れを崩さなかったことが優勝につながった。真っすぐ打って、真っすぐ乗せて、パットを決める。それをずっと繰り返している感じだった。

 今週はメジャーのAIG全英女子オープン。彼女の優勝で日本勢が活気づいたのは確かだろう。ただ、会場のミュアフィールドはタフなコース。天気次第でコースがどう変貌するか分からない。予想はつかないが、日本勢に勢いがあるのは間違いないので、楽しみだ。(プロゴルファー、WOWOW解説者)

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