古江、米ツアー本格参戦1年目初優勝!10バーディー62 全英女子へ弾み「また優勝できるように頑張る」

[ 2022年8月2日 04:50 ]

米女子ゴルフツアー スコットランド・オープン  最終日 ( 2022年7月31日    英ゲイレス ダンドナルド・リンクス=6494ヤード、パー72 )

最終ラウンド、優勝トロフィーを手に笑顔を見せる古江(撮影・西尾 大助)
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 4打差9位から出た本格参戦1年目の古江彩佳(22=富士通)が米ツアー初優勝を飾った。10バーディー、ボギーなしで自己ベストとコース記録となる62をマーク。2位に3打差をつける通算21アンダーで大会記録を更新した。ここまで日本ツアーで7勝を挙げており、日米通算8勝目。次週の今季メジャー最終戦、AIG全英女子オープン(4日開幕、ミュアフィールド)に向けても勢いのつく、鮮やかな逆転勝利となった。

 リーダーボードのトップに立つ古江が最終18番グリーンに上がる時、スコットランドのギャラリーから大きな拍手が湧き起こった。「遠い国から来ているのに、凄くうれしいな」。2メートルのチャンスを沈め、後続を突き放す10個目のバーディーに再び大歓声。トレードマークの笑顔で祝福に応えた。

 「本当にうれしいです。まさかルーキーイヤーで優勝できるとは。4打差もあったので難しいかなとは思ったんですけど、凄くいいゴルフができました」

 圧巻の18ホールだった。1番でバーディー発進すると、6番からは6連続バーディーを奪取。ここで首位のブティエに並んだ。その後は一時2位に後退も、15番で下りの10メートルのバーディーパットを沈めて単独首位に浮上。17、18番をバーディーで締め、自己ベストとコース記録を更新する62。2位に3打差をつける逆転での初勝利だ。

 本格参戦1年目の今季。ここまで2位に入った1試合以外は、「自分のショットができない」と悩んでいた。6月末に一時帰国し、コーチでもある父・芳浩さんとの練習でスイングを修正。ハンドファーストになりすぎていた構えを修正し、「戻せたのは大きかった」。そして勝利の最大要因に挙げたパットの裏には、古江のひらめきがあった。練習でボール2個を横並びに置き、これを打つ練習を考案。「フェースを真っすぐ当てる意識をするため」。この練習が奏功。上向いたショットに、絶好調となったパットがかみ合った。

 3歳の時に母・ひとみさんの練習についていき、ゴルフを始めた。5歳の時、練習場で「お嬢ちゃんうまいなあ」と声を掛けてきたおじさんに「うちはタイガー・ウッズと戦うんや」と返した少女が、最高峰の米ツアーで勝利をつかんだ。そして次戦は、今季メジャー最終戦のAIG全英女子オープンを迎える。今会場から車で約2時間、同じスコットランドのリンクスが舞台だ。「優勝できてうれしいので、また優勝できるように頑張る」。世界一の称号への期待も一気に高まった。

 【古江 彩佳(ふるえ・あやか)】☆生まれとサイズ 2000年(平12)5月27日生まれ、神戸市出身の22歳。1メートル53、54キロ。
 ☆ゴルフ歴 3歳から始め、兵庫・滝川二高2年時に全日本大学・高等学校選手権優勝。19年富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝しプロ転向。昨季6勝を挙げ賞金ランク2位、メルセデスランク1位。
 ☆米ツアー参戦 昨年7月にメジャーのエビアン選手権で4位に入る健闘を見せ、米ツアーを志すきっかけに。同年12月に最終予選会を突破し、出場資格を得た。
 ☆浜崎あゆみ 大ファンで、会場までの車内で流すのがルーティン。
 ☆名前の由来 「鮮やかに賢く育ってほしい」との願いから。ミレニアム世代の同学年からは「えってぃ」と呼ばれる。

 ≪大会新21アンダー≫72ホールでの通算21アンダーは19年のハ・ミジョン(韓国)の同20アンダーを更新する大会新記録。18ホールでの10アンダーは18年ティファニー・ジョー(米国)、19年ハ・ミジョンに並ぶ大会記録となった。 

 ▽全英女子オープン 第1回は1976年。メジャーに昇格する前の84年にウォバーンGCで岡本綾子が優勝した。94年に米女子ツアーに組み込まれ、01年からデュモーリエ・クラシックに代わってメジャーとなった。メジャー昇格後、日本勢は08年に不動裕理が最終日を首位で迎えて3位、09年は宮里藍も3位。ウォバーンGCで開催された19年に渋野日向子が米ツアー初出場で優勝を飾った。46回目を迎える今年の会場は初開催となるミュアフィールド。過去16度も男子の全英オープンを開催してきた名門コースだ。

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2022年8月2日のニュース