【箱根駅伝2区】駒大の大エース・田沢が2区歴代4位の快走で区間賞 「この1年で強くなったなと感じた」

[ 2022年1月2日 10:16 ]

第98回東京箱根間往復大学駅伝 往路 ( 2022年1月2日    東京・大手町~神奈川・箱根町 5区間、107・5キロ )

<第98回箱根駅伝・鶴見中継所>2区・田沢(右)にたすきをつなぐ駒大1区・唐沢(撮影・木村 揚輔)
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  第98回東京箱根間往復大学駅伝第1日は2日午前8時、東京・大手町をスタート。往路は神奈川県箱根町までの5区間、107・5キロで行われた。

 各校エースが名を連ねる「花の2区」は、戸塚中継所までの23・1キロを走る最長区間。13キロ付近の権太坂以降のアップダウンがスタミナを奪う難関で、1万メートルの日本人学生記録(27分23秒44)保持者、駒大の田沢廉(3年=青森山田)は歴代4位となる1時間6分13秒の快走。区間賞の走りでトップに立った。

 昨年の東京国際大・ビンセント(1時間5分49秒)、2020年の東洋大・相沢晃(1時間5分57秒)、2009年の山梨学院大・モグス(1時間6分4秒)に次ぐ歴代4位。

 前回大会も2区を走り、1時間7分27秒で区間7位だっただけに「去年はずっといっぱいいっぱいの走りをしてたけど、今年はラスト1キロがほんとにきつかったなあと思って。この1年振り返って強くなったなと感じた」と手応え。「今回は日本人の選手もトップクラスの選手が2区に集まっていて、区間賞とりたい思いもあったので、とれて良かった」と安ど。駒大の2区区間賞は大八木弘明・現監督以来で「良かったです。監督から走る前に2区区間賞とったんだぞって言われたので、それ以来ということでうれしい限りです」と笑顔を見せた。

 3年生ながら主将を務める。優勝した昨年の箱根駅伝後、大八木弘明監督から「一番強い。上級生にも(意見を)言える」と実力とリーダーシップを期待されて次期主将に指名された。「(監督から)急に主将は田沢でいきますと言われた」と、その時は驚きを隠せなかったが「名実ともにチームの顔として頑張ろう」とすぐに主将の自覚が芽生えた。

 優勝候補チームの主将として初めて臨んだ出雲駅伝ではまさかの5位。背中で引っ張るタイプの田沢は自分のチーム運営に迷いも出たというが、今年11月の全日本大学駅伝に向けて「主役になるくらいの気持ちで走ろう」と珍しく仲間にハッパを掛け、自らもチームを優勝に導く大仕事をやってのけた。

 4位でたすきを受けて7区を走り、1分36秒の大差を逆転して首位に押し上げた。「自分の力ならいける」とぐんぐんスピードを上げると13キロすぎに東京国際大を逆転。5位から2位に急浮上してきた青学大に8秒差まで迫られたが「青学大が近くても何とも思わなかった」と淡々とレースを展開。最後は青学大に18秒差を付けてリレーすると「後輩が頑張ってくれたので、自分もエースらしい走りをしようと思った」と3年連続区間賞の走りで主将の責任を全うした。

 鈴木芽吹(2年=佐久長聖)ら主力級を故障で欠く中でも選手層の厚さで快勝。田沢は「ベストじゃなくても勝てたのが箱根に向けて大きい。個人的には区間賞を狙う」と箱根連覇を見据えていた。

 昨年12月4日に行われた日体大長距離競技会のトラック1万メートルで27分23秒44の日本人学生新記録をマーク。来年7月の世界選手権(米オレゴン州ユージン)への参加標準記録(27分28秒00)も突破し、上り調子のまま箱根へ乗り込んだ。

 ◇田沢 廉(たざわ・れん)2000年(平12)11月11日生まれ、青森県八戸市出身の20歳。是川中―青森山田高。高校3年時にアジアジュニア選手権5000メートルに出場し、銀メダル。3大駅伝デビュー戦となった1年時の出雲駅伝は3区で区間2位と好走。全日本大学駅伝は1年で7区、2年は8区で区間賞を獲得した。自己ベストは5000メートル13分29秒91。同1万メートル27分39秒21は今季の大学日本人選手でトップ。1メートル80、60キロの大型ランナー。

◆区間記録
1 田沢廉(駒大3年)1時間6分13秒
2 ライモイ・ビンセント(国士舘大4年)1時間6分41秒
2 フィリップ・ムルワ(創価大3年)1時間6分41秒
4 ポール・オニエゴ(山梨学院大4年)1時間6分49秒
5 イエゴン・ビンセント(東京国際大3年)1時間7分2秒
5 松山和希(東洋大2年)1時間7分2秒
7 近藤幸太郎(青学大3年)1時間7分9秒
8 中村風馬(帝京大4年)1時間7分10秒
9 鎌田航生(法大4年)1時間7分11秒
10 藤本珠輝(日体大3年)1時間7分21秒
11 三浦龍司(順大2年)1時間7分44秒
12 伊地知賢造(国学院大2年)1時間7分51秒
― 並木寧音(東農大2年)1時間8分16秒
13 西方大珠(神奈川大4年)1時間8分39秒
14 中谷雄飛(早大4年)1時間8分45秒
15 手島駿(中大4年)1時間8分52秒
16 鈴木聖人(明大4年)1時間9分11秒
17 松崎咲人(東海大3年)1時間10分1秒
18 吉田礼志(中央学院大1年)1時間10分13秒
19 ジェームズ・ブヌカ(駿河台大4年)1時間10分19秒
20 高瀨桂(専大3年)1時間11分4秒

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