南秀樹のスコアアップ術⑥ ラフからのアプローチ

[ 2021年12月10日 12:00 ]

南秀樹のスコアアップ術⑥ラフからのアプローチ
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 第6回はラフからのアプローチです。冬場はラフが短いので油断しがちですが、やはり花道から打つときよりも難易度が上がります。とりわけ芝に沈んでいるときは要注意です。南秀樹コーチによれば、ラフからのアプローチで最も大切なのは、実は素振りだと言います。えっ!?そんなこと?と思われそうですが、とても効果があります。正しい素振りを行い、ラフからでもしっかりとピンに寄せましょう。

 ツアープロにも同じことをアドバイスしていますが、ラフからのアプローチでは、ボールを打つ前に必ず素振りを行って下さい。もちろん、単にクラブを振ればいいというわけではありません。ボールのライに合わせた素振りを行うべきです。

 例えば、ボールが芝に沈んでいる場合に多いミスは、クラブヘッドが届かずにトップ気味に当たることです。このミスを防ぐためにも、素振りの段階でヘッドが地面に当たるようにクラブを振りましょう。普段の練習では、ソールが練習マットに当たっている感覚を養っておくことが大切です。

 反対にボールが芝に浮いているときは、ヘッドがボールの下を潜り抜けないように、ボールの高さに合わせて素振りを行います。

 フェアウェーから打つときとの違いは、芝の抵抗です。インパクトでクラブフェースの向きが変わりやすく、狙ったところにボールを打ち出すことができません。それを防ぐには、グリップをしっかりと握ること。ただし、強く握り過ぎると肩や肘に力が入るため、スムーズにクラブを振れなくなります。特に肘が伸びた状態でスイングすると、体の軸が傾いて正確なインパクトを迎えることができません。クラブを強く握ったら、肘の曲げ伸ばしを行い、肩と肘をリラックスさせてからアドレスに入りましょう。

 また、クラブを極端に短く握ると、構えだけでなく、振り幅も小さくなるので、思ったよりもショートします。クラブを短く握るなら指2本分ぐらいで十分です。

 アベレージゴルファーがミスをする原因は、ボールの行方を追って、上体を起こし、体をインパクト前に目標に向けることにあります。ただ、頭を残そうとし過ぎても体重が右足に残りがちです。アドレスしたら体の軸を垂直になっているかどうかを確認し、その軸がスイング中に傾かないように意識しながら、体の正面でボールをとらえましょう。その際、体重は左足に多く乗ったままです。

 ボールを上げようとしてフェースを開く人もいますが、ボールの下をヘッドが抜けるダルマ落としになりやすいので、私はフェースを開くことはお勧めしません。サンドウエッジは元々ロフトが大きいので、フェースを開かなくてもある程度の高さが出ると考えましょう。どうしてもボールを高く上げたいときは、通常よりもボール1個分左におくだけで高く上がります。

 よく芝の抵抗を受けないように鋭角にヘッドを下ろす人を見かけますが、それだとヘッドを振り抜けないこともあります。左肘を突っ張らずに、少し曲げた状態にしておくと、ヘッドが鋭角に下りず、フォロースルーをとれるようになります。

 基本的にラフからのアプローチはボールとフェースの間に芝が挟まるので、スピンがかかりません。したがって、グリーンに落ちた後はランが多めに出ることを頭の中に入れておきましょう。

 (取材協力=兵庫・オリムピックゴルフ倶楽部) 


 ◆南 秀樹(みなみ・ひでき)1974年(昭49)2月21日生まれ、香川県出身の47歳。プロゴルファーだった父の影響で中学2年からゴルフを始め、香川西高卒業後に日本プロゴルフ協会のティーチングプロ資格を取得。鈴木愛、成田美寿々らを指導。現在は男子の塚田陽亮や今年復活優勝した岡山絵里、木村彩子らのコーチとして活躍。

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