東京五輪マラソンコースをロードバイクで走ってみた…最後の数キロは地獄

[ 2018年7月6日 11:33 ]

前方に見えるのが「富久の壁」
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 5月31日に東京五輪のマラソンコースが、6月15日には東京五輪代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)のコース案が示された。本番の2020年も、代表選考会の19年もともに猛烈な暑さとの戦いが予想されるが、趣味と好奇心と実益を兼ねて一足先にコースを走ってみた。(ロードバイクで…)

 コースは新国立競技場を北上して富久町西を靖国通りへ。行きはよいよいとばかりに、下り基調なのでロードバイクでは快適だった。ランナーも(スタート直後に若干のアップダウンはあるにせよ)スピードに乗って快調に走ることができるはずだ。

 お堀の周辺でほぼ平坦になる。そのまま外堀通り、白山通り、神保町から靖国通りと淡々と進む。日本橋、浅草寺、増上寺と東京タワーなど東京マラソンでもおなじみのコースを通過。東京五輪では内堀通りもコースになっており、いかにも東京らしい名所を通過するため、東京観光気分でペダルをこいだ。平坦のために足に負担もほとんどなかった。

 ただ、そこから水道橋まで戻り、外堀通りからは雲行きが怪しくなった。予想どおり終盤の市ヶ谷からのダラダラと続く上りは疲れた足に堪えた。このあたりは四谷坂町と呼ばれている通り、坂ばっかり。逃げようにも、四方は坂。防衛省前からはさらに上りがきつくなったように感じた。富久町の信号からは「富久の壁」といえるような急な上りに乳酸はピーク。ギアを一番軽くしてダンシングでヘロヘロで登り切った。

 暑さでダメージを負っている選手にとっては最後の数キロは地獄になる。一方で、そこで加速できればあっという間に差を詰められたり、逆転も十分可能だろう。MGCでも、東京五輪本番でも重要な場所になりそう。

 42・195キロ+家から新国立競技場までの距離を考えれば50キロ超の行程を走破。ロードバイクですら大変なのに、脚で完走するマラソン選手の方々をリスペクトする気持ちは一層高まった。ただ、素人が試走するならグーグルのストリートビューでも良かったのではないかと…東京体育館前のベンチで休みながら思った。(河西 崇)

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