ボルト、ゆがんだ脊椎が最後に招いた悲劇 結末は必然か

[ 2017年8月14日 09:20 ]

陸上世界選手権第9日 男子400メートルリレー ( 2017年8月13日    英ロンドン・ロンドン競技場 )

男子4×100メートルリレー決勝、負傷しチームメートと引き揚げるボルト(中央)
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 ボルトは少年時代から脊椎側彎(せきついそくわん)症と診断されており、ゆがんだ脊椎の影響で左右の股関節の動きが不均衡という指摘を受けていた。その弱点をカバーしていたのは腰椎と大腿骨をつなぐ大腰筋、腸腰筋のインナーマッスルの分量の多さ。それが脚を引き上げ前方への推進力に変えていた。

 だが、21日で31歳。良質な筋肉を再生して増量する機能の低下は避けられない年齢となった上、ファストフードを好む食生活も影響したと言わざるを得ない。膝の痛みは慢性化し、今回も再生治療の一つ、PRP(自己多血小板血漿=しょう=療法)を受けたと伝えられた。左太腿は、脊椎や股関節との構造的な関わりで「最も危ない箇所」とされ、しわ寄せがくるとの見方もあった。悲劇的な結末は必然だったのかもしれない。

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2017年8月14日のニュース