ラグビー日本選手権 来季から大学枠撤廃!代表強化で国内シーズン短縮へ

[ 2016年12月6日 09:00 ]

1月の日本選手権で対戦したパナソニックと帝京大
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 日本ラグビー協会が1963年度から主催している日本選手権について、来年度から大学勢の出場枠をなくす方針を固めたことが5日、関係者への取材で分かった。1996年度までは社会人と大学王者同士のワンマッチで行われ、97年度以降は全体の出場チーム数を増やして大学勢の出場枠が維持されてきたが、19年W杯日本大会へ向けた日本代表強化のため、国内シーズンの短縮化が必要と判断。半世紀以上続いた大会が、大きな転機を迎えることになった。

 日本協会は先月までに有力大学の関係者に対し、来年度の日本選手権から大学の出場枠を廃止する方針を通達。賛否両論が出たものの、最終的には合意を取り付けたもようだ。今後は年度内の日本協会理事会で、正式決定する見通しとなった。

 1963年度(64年3月)に第1回が行われた日本選手権は、64年度から社会人と大学王者の直接対決が1月15日の成人の日(当時)に行われ、冬の風物詩となった。90年代に実力差拡大が問題視され、97年度以降は社会人、大学ともに複数の出場枠が設けられた。近年では14年度の1回戦で大学王者の帝京大がNECに勝利。下克上は日本選手権の醍醐味(だいごみ)だった一方で、帝京大以外の大学勢は主力を温存したTL勢に完敗するケースが少なくなく、意義が薄れていた。

 加えて日本は今年2月から、世界最高峰リーグのスーパーラグビー(SR)にサンウルブズとして参戦。トップ選手は国内シーズン終了後に休みなくサンウルブズの合宿に突入する強行日程を強いられている。選手の負担軽減は、19年W杯日本大会に向けて代表強化を図る日本協会にとっても喫緊の課題。日本選手権をTLプレーオフと一本化して国内シーズンの短縮化を図り、選手の負担を軽減する案も浮上している。また、日本代表クラスの現役学生選手の国内シーズン終了を前倒しし、サンウルブズへの参加を促す目的もある。

 現状では19年W杯までの時限的措置となる見込みだが、日本ラグビー界全体の強化につながれば、恒久化される可能性もある。今年度は53回目を迎え、TL3強、大学王者の4チームで争われる日本選手権。半世紀以上続いた社会人対学生の歴史にいったん終止符を打ち、日本ラグビー界全体の発展のため、新たな歴史を刻み始めることになる。

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2016年12月6日のニュース