愛ちゃん 妻で東京五輪!着物姿ラブラブ結婚会見

[ 2016年9月22日 05:30 ]

笑顔で見つめ合う福原愛と江宏傑

 卓球女子団体でロンドン五輪銀、リオデジャネイロ五輪銅メダリストの福原愛(27=ANA)が21日、都内で会見を開き、同五輪台湾代表で「卓球王子」こと江宏傑(27=中国読みジャン・ホンジェ)との結婚を報告した。着物姿で会見に臨んだ新妻は、日本と台湾に加え、チェコでプレーする夫の練習拠点・ドイツの3カ国で生活することになる。来年1月の全日本選手権など大会への出場は未定だが、今後は家庭が落ち着き次第、20年東京五輪を目指すことになる。

 幼い頃、練習で泣き、試合で泣いた。銀メダルを獲得した12年ロンドン、銅メダルの16年リオ五輪でも、やっぱり泣いた。“泣き虫愛ちゃん”として親しまれてきた福原だが、この日は幸せな笑みを浮かべていた。「日本中の方に小さな頃から応援していただき、今日という日を迎えられました。感謝の気持ちでいっぱいです。ジャン・ホンジェさんを皆さまにご紹介させてください」。着物姿の新妻に導かれて江宏傑が登場し、2ショットのラブラブ会見が始まった。

 福原が故障に苦しんでいた14年にメッセージを送られ、交際に発展。「どんなささいなことでも相談に乗ってくれる。いろんな言葉で支えてくれた」。開会式で仲むつまじい姿を見せたリオ五輪も試合が始まると互いに支え、励まし合った。そして、五輪後に粋なプロポーズを受ける。「この家の主人になっていただきたい」と台湾の自宅の鍵を渡された。驚きと喜びで頭が真っ白になった福原は自身のリアクションを覚えていないという。

 今月1日に都内で婚姻届を提出し、その後に台湾でも届け出た。福原の左手薬指には、特注の指輪が光っていた。「私が愛ちゃんのためにデザインしたオリジナルリングです。世界に一つだけの、私たちの愛のシンボル」と江宏傑。ピンポン球をモチーフにした球体が両サイドに付いており、福原は「ラリーをしている感じのラインがあしらわれている」と言う。説明のために一度外した指輪を再び夫にはめてもらうと、新妻にまた笑みが浮かんだ。

 卓球界のシンボルとして引っ張ってきた27歳は今後、新たな役割を担う。「女性アスリートは家庭に入ることで活動が狭められるのではないかと思っていたけど、支えてくれる人がいるのであれば、続けることが可能なんじゃないかと思えるようになった。私が頑張ることで、新しい道を後輩のためにも切り開くことができたらいい」。これからの自身の姿が、女性選手の道しるべになると信じている。

 ワールドツアー、来年1月の全日本選手権への出場は未定。「軸をつくってから次のステージに進みたい。自分自身、彼と向き合いながら決めていきたい」。日本、台湾に加え、夫の練習拠点・ドイツで生活しながら復帰時期を探るが、4年後の東京五輪はもちろん視界に入っている。「日本代表として試合に出られるのは誇り。家族と相談しながら頑張っていくことができたらいい」。大人になり、妻になった“泣き虫愛ちゃん”が、新たな目標へ歩き始めた。

 ◆福原 愛(ふくはら・あい)1988年(昭63)11月1日、宮城県仙台市生まれの27歳。3歳から競技を始め、04年アテネ五輪に15歳で出場。3大会連続五輪となった12年ロンドンではシングルスで8強も団体銀メダル獲得に貢献。リオデジャネイロ五輪ではシングルスで4強入りし、団体では銅メダルを獲得。今月の世界ランクは9位で過去最高は4位。1メートル56、48キロ。右、前陣速攻型。趣味は料理で遠征先には炊飯器を持って行く。

 ◆江宏傑(こう・こうけつ)1989年2月22日、台湾・新竹市生まれの27歳。7歳から卓球を始める。14年の荻村杯(横浜)ではダブルスで準優勝。今月の世界ランクは79位も過去最高は47位。五輪はリオが初で団体戦に出場したが1回戦敗退。家族は両親と兄、姉。1メートル80、70キロ。右、ドライブ攻撃型。合作金庫銀行所属。趣味は水泳、温泉に入ること。

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