ロシア リオ五輪出場停止も 陸上界で組織的ドーピング横行

[ 2015年11月11日 05:30 ]

ロシアのドーピングに関する調査結果について説明するWADAのリチャード・パウンド元会長(AP)

 世界反ドーピング機関(WADA)の第三者委員会は9日、ジュネーブで開いた会見で、ロシアの陸上界で組織的なドーピングが横行していると認定、ロシア陸連の資格を停止し、同国選手の大会出場を禁じる処分を国際陸連に勧告した。反ドーピング態勢が改善されなければ来年のリオデジャネイロ五輪に出場できない可能性が出てきた。12年ロンドン五輪女子800メートル金メダルのマリヤ・サビノワを含む5選手と4人のコーチ、1人の医師は永久資格停止処分が適当とし、モスクワの検査所の認定取り消しなども求めた。これを受けWADAは10日に同検査所の認定を取り消した。

 WADAは昨年12月にロシア陸上界の疑惑が報じられると、パウンド元委員長を責任者とする第三者委を設置。調査したパウンド氏は「ロシアは組織的なドーピングを把握していたと思う」との見解を示した。国際陸連のコー会長は「クリーンな選手を守り競技への信頼を回復するためなら何でもする」との声明を発表。ロシア陸連への処分検討を開始する指示を出した。ロシアのムトコ・スポーツ相は地元メディアに「証拠に乏しい。ロシアは何をやっても悪く見られる」と反論した。

 今回のドーピング問題についてハンマー投げ五輪金メダリストの室伏広治は「氷山の一角と捉えてスポーツ界全体で信頼を回復する必要がある」と危機感を募らせた。

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2015年11月11日のニュース