琴奨菊 上位食いの嘉風止めた 先場所の借り返した

[ 2015年11月11日 05:30 ]

嘉風(右)を寄り切りで破った琴奨菊

大相撲九州場所3日目

(11月10日 福岡国際センター)
 大関・琴奨菊が小結・嘉風を寄り切って無傷の3連勝とした。地元福岡・柳川出身の大関が、先場所から横綱・大関を次々と破って波に乗る嘉風を返り討ちにした。全勝は琴奨菊のほか、白鵬、勢、魁聖、千代鳳の5人となった。

 今、最も勢いに乗る男を土俵下まではじき飛ばした。琴奨菊は頭から当たって、右を抱え、左で挟みつけると、一気のがぶり寄り。先場所2横綱2大関を撃破し、今場所も1横綱1大関を破った大分出身の嘉風に何もさせなかった。「先場所負けているし、勢いのある相手だったので、自分の持ち味で勝負したかった。満足でしょう」。九州勢対決を制し、先場所の借りも返した大関は目尻を下げて喜んだ。

 嘉風に劣らず、琴奨菊も勢いに乗っている。7月の名古屋場所で5度目のカド番を脱出し、秋場所は11勝4敗と復調。秋巡業中は嘉風に声を掛けて一緒にトレーニングし「万全に仕上がっている」と手応えを得ていた。

 今年から所属の佐渡ケ嶽部屋は博多湾に面した西戸崎に新たに建設した稽古場へ移った。稽古スペースは広く、目の前には砂浜が広がる「素晴らしい環境」だ。食卓には若い衆が釣った魚料理も並ぶ。場所前は自らも1時間30分かけて沖へ出た。釣ったイワシを餌に、狙ったのはブリやカツオ。船酔いに苦しみながらの奮闘もむなしく「大物狙ったんだけど、駄目でした」とボウズで帰ってきた。

 海での大物狙いは失敗に終わったが、土俵の上では“大物キラー”をきっちり仕留めてみせた。「勝たないと面白くないからね。楽しみながら相撲を取ることが一番」。3日目にして三役以上で全勝を守っているのは白鵬と2人だけ。目指すは白星の“大漁”。地元九州で主役になる可能性は十分だ。

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2015年11月11日のニュース