エディーJ、スコットランドに完敗…中3日の試練越えられず

[ 2015年9月24日 05:30 ]

<日本・スコットランド>突破を狙うも相手選手に倒されるリーチ(中)

ラグビーW杯イングランド大会 日本10―45スコットランド

(9月23日 グロスター)
 世界ランキング11位の日本は1次リーグB組第2戦で同12位のスコットランドに10―45で敗れた。19日の南アフリカ戦から中3日の日本に対し、スコットランドはこの試合が初戦。圧倒的不利な条件での一戦で、伝統国の壁は越えられなかった。決勝トーナメント進出には残り2戦、絶対に負けられない状況。11月1日付で退任が決まっているエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、55)の下、10月3日のサモア戦(ミルトンキーンズ)に向けて立て直しを図る。

 相手に完全に試合の流れを引き渡す、手痛いトライを決められた。14点を追う後半23分、相手陣でフェーズ(攻撃回数)を重ねたが、インゴールのラインに近づけない。苦し紛れの左展開に持ち込みCTB田村からCTBサウへのパスを、相手WTBシーモアにインターセプトされた。チーム一の快足ランナー、WTB福岡が追い掛けるが、後ろから足に手を掛けるのが精いっぱい。スコットランド、スコットランドの大合唱の中、15人の戦士は小さく見えた。

 「前半終わった時点で勝てるかなと思ったが、少なくとも22メートルライン内に入ったときに冷静に攻めなければならなかった。ただ、疲れは言い訳にはできない」

 ジョーンズHCは試合後の会見で話したように、アタックの精度が悪かった。前半から幾度も相手インゴールに迫ったが、あと一歩のところでミスを重ねた。特に前半33分には、インゴールラインで密集状態をつくったが、No・8マフィがその上を越えようとしてトライを試みノックオン。判断の悪さで絶好機を失い、リーチ主将も「南アフリカ戦との大きな違いは判断の悪さ」と話した。

 スコットランド戦の大きなテーマが、中3日という過酷な日程をどう乗り切るかだった。一方の相手はW杯初戦だ。大会前まで通算1勝2分け21敗。ティア1と呼ばれる世界のトップグループに属する10チームとの待遇差は、厳然として立ちはだかっている。それでもジョーンズHCは試合前日会見で「言い訳はしない。南アフリカ戦勝利がまぐれではないことを証明する」と宣言した。

 そこまで言い切ったのは、万全の準備をしてきたから。就任からW杯までの4年間に行った53試合中、中2日で3試合、中3日で4試合をこなした。「フィジカルは問題ない。この2、3年、予行練習をしてきた。(選手に)あざや打撲はあるが大丈夫だ」と話していたが、選手の体は正直だった。後半28分、33分にもトライを許し、万事休す。多くの選手の足はパッタリと止まっていた。

 後半開始直後には、力強いボールキャリーを何度も見せたNo・8マフィが負傷交代。担架で運ばれるなど、次戦以降の出場は微妙な状況だ。しかし「10日後にサモア戦がある。大きなチャンスが待っている」とジョーンズHC。まだ1勝1敗。目標の8強へ残り2戦に必勝を期す。

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