“ツヨカワ”香妻琴乃 外見とは裏腹の精神力 2年連続シード目指す

[ 2015年9月3日 10:50 ]

香妻琴乃

 1年は早いものだ。五輪イヤーの16年を迎えるまで4カ月を切り、国内女子ゴルフツアーも13試合が残されるのみなった。現在、賞金ランク首位を独走するのはイ・ボミ(韓国)。2位のテレサ・ルー(台湾)に約5000万円差をつけており、賞金女王戴冠へ順調な旅を続けている。そんな華やかな女王争いの裏で加熱するのが賞金シード争いだ。

 女子ツアーのシードは大王製紙エリエール・レディース終了時点(11月22日)の賞金ランク50位までの選手に与えられる形となる。シードを狙う者がいれば、当然シードを守ろうとするものもいる。だが、昨年、初シードを獲得した香妻琴乃(23=サマンサタバサ)は守るという考えは持ち合わせていないようだ。

 「シードは1年間の結果だと思うので、(シードを)守るということはあまり考えていない」。8月下旬に名門・小樽CCで開催されたニトリ・レディースの第2ラウンドをホールアウトした後、香妻はこう語った。昨年はホステス大会のサマンサタバサ・レディースと米ツアーを兼ねたミズノ・クラシックでいずれもプレーオフに残り、2位。初優勝こそならなかったものの自己最高の賞金ランク19位で初の賞金シードを獲得した。ファッショナブルなウエアを着こなし、目尻を少し跳ね上げたアイラインは“小悪魔メーク”として注目を集める。昨年は平均パット数1位と実力も折り紙付きで“ツヨカワ女子プロ”として人気選手の仲間入りを果たした。

 しかし、今季はこれまで20試合に出場して予選落ちは7試合でトップ10入りは一度だけ。獲得賞金は約877万円で59位となっている。昨年のシード獲得ラインが約1700万円だったことを考えると、この後も気の抜けない戦いが続く。苦戦が続く理由の一つに持病の腰痛がある。腰の負担を軽減させるため、遠征先のホテルなどで体幹トレーニングに打ち込むが、春先の試合では「いつ結果が出るんだろう」と思い悩むこともあった。

 そんな中、ニトリ・レディースでは今季初めてトップ10入り(10位)。復調の兆しも見えてきた。難コースで知られる小樽CCで結果を残せたことも自信になったのだろう。「あと残りの試合で優勝するにはどうすればいいのかを考えている。シードよりも勝ちたい気持ちの方が強い」。ゴルフはメンタルのスポーツとはよく言ったもの。可愛らしい外見とは裏腹な強い気持ちを持つ香妻がシーズン後半戦を多いに盛り上げてくれるかも。(井上 侑香)

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2015年9月3日のニュース