“錦織2世”19歳・西岡、4大大会初勝利に「うおおおお!」

[ 2015年9月3日 05:30 ]

男子シングルス1回戦に勝利し、喜ぶ西岡

テニス全米オープン第2日

(9月1日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 男子シングルス1回戦が行われ、世界ランキング128位の西岡良仁(19=ヨネックス)が同80位のポールアンリ・マチュー(32=フランス)を6―4、2―6、6―7、6―1、6―2で下し、4大大会初勝利を収めた。

 記念すべき4大大会1勝。相手のバックハンドの打球はポールに当たってコート外に大きく飛び出し、勝利が決まった。西岡は両手でガッツポーズをつくり、コートサイドのコーチ陣を振り返った。マチュー、審判と握手を交わすと、もう一度コートに戻り「うおおおお!」と雄叫び。喜びをかみしめた。

 “金言”を勝利につなげた。29日の昼食で今年の全仏オープン1回戦でマチューを破った先輩の錦織圭(25=日清食品)から「バックハンドのクロスはいい球を打ってくる」と助言された。この日はそのバックハンドの「跳ね際を早く叩いた」という作戦がはまり、ペースを握った。

 万全の準備も実を結んだ。第3セットのタイブレークで2度のセットポイントを逃したが「長期戦になれば有利になると思っていた。相手の限界も見えていた」と焦りはなかった。西岡自身は5セットマッチが3試合目で最終セットに突入したのは初。しかし、今大会に向け、夏の北米シーズンから試合に加え、フィジカルトレーニングを行ってきた。3時間22分の死闘も「脚のけいれんの心配もあったが、意外ともつんだなと思った」と笑い飛ばした。

 錦織同様に盛田ファンドの支援を受け、中学3年から米フロリダ州のIMGアカデミーに留学した“錦織2世”。同ファンドは支援継続のハードルを毎年設け、実力を認められて最後まで全うできたのは錦織や西岡ら3人だけだ。13年には練習態度の悪さからコーチに遠征予定を取り消されるなど精神面のムラが課題だったが、この日は苦しい場面でも「集中、集中」と自分に言い聞かせた。錦織も「今の若手の中では一番伸びている」と認める実力を発揮した。

 2回戦は第30シードのトマス・ベルッシ(27=ブラジル)と対戦する。錦織が初戦で敗れ、日本男子は西岡のみ。「みんなからも言われるし、できる限り残りたい」。貪欲に勝利を目指す。

 ◆西岡良仁アラカルト

 ☆生まれとサイズ 1995年(平7)9月27日生まれの19歳、三重県津市出身。1メートル71、63キロ。
 
 ☆競技歴 4歳でテニスを始める。07年全国小学生大会シングルス優勝。12年全米オープン・ジュニアでシングルス、ダブルス4強。13年全仏オープン、ウィンブルドン選手権ともにジュニアでダブルス8強。14年1月にプロ転向。

 ☆40年ぶり 昨年の仁川アジア大会で日本男子として74年の坂井利郎以来、40年ぶりの金メダルを獲得。

 ☆ホットショット 8月のアプトスチャレンジャーで背中の後ろにラケットを通す背面ショットでウィナーをとり、ATPツアーの公式サイトで紹介された。

 ☆マイブーム 将棋。「何手も先を読んで相手の戦略を読むので、作戦を練るというところはテニスに近いかな」。携帯アプリで移動時間にも“脳トレ”に励む。

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