浅見 決勝で逆転負け、最軽量級男女とも金なし…10年ぶり屈辱

[ 2015年8月25日 05:30 ]

女子48キロ級決勝で敗れた浅見

世界柔道第1日 女子48キロ

(8月25日 カザフスタン・アスタナ)
 女子48キロ級の浅見八瑠奈(27=コマツ)は、決勝でパウラ・パレト(29=アルゼンチン)に優勢で敗れて4年ぶりの女王返り咲きはならなかった。昨年女王で連覇を狙った近藤亜美(20=三井住友海上)は準々決勝で敗退。銅メダルは確保したが金メダルを期待された二枚看板が共倒れに終わった。男子60キロ級でも志々目徹(23=了徳寺学園職)が準決勝で敗れ銅メダル。最軽量級で男女とも金メダルを逃したのは05年のカイロ大会以来10年ぶりのこととなった。

 両手の中でコマのように暴れるパレトを浅見は御しきれなかった。1メートル53の自分よりも3センチ低い相手との決勝戦。「自分が下がる形で、相手を追いかけないように思っていた」。上から抑え込みつつ次の展開につなげていくのが作戦だった。

 しかし勢いのある背負い投げの連発に揺さぶられ、片手を持たれては振り回された。準決勝までの動きの良さが、相手の圧力に押される形で徐々に影を潜めていった。

 先に指導を受けたのはパレト。しかし残り1分15秒、そして31秒と立て続けに浅見に指導が与えられた。谷本歩実コーチは「相手の動きを封じたいと思って自分の動きを封じてしまった。動きがよかったので、もっと戦わせてもよかった」と作戦ミスを悔やんだ。

 12年のロンドン五輪代表を逃し、13年の世界選手権は決勝で敗れて3連覇を逃した。引退も考えた1年間の休養から再起したのは来年のリオ五輪に出るため。ここで金メダルを獲れば、近藤との代表争いでも大きくリードできたはずだった。五輪を意識し、勝ちに徹していた分だけ、決勝ではリスクを冒して勝負にいけなかった。

 4年ぶりの戴冠はならなかったが、3回戦で世界1位のムンフバット(モンゴル)を破るなどあらためて実力も示した。決勝の後、へこたれる様子を見せず「次のリオ五輪は必ず出て金メダルを持ち帰りたい」と力強く言った。銀メダルに終わった悔しさが浅見の決意をより固いものにした。

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