燃える新大関・照ノ富士、天国の音羽山親方へ恩返しVだ!

[ 2015年6月30日 05:30 ]

伊勢ケ浜部屋宿舎で会見した新大関・照ノ富士

 日本相撲協会は29日、大相撲名古屋場所(7月12日初日、愛知県体育館)の新番付を発表した。5月の夏場所で初優勝し、大関に昇進した照ノ富士(23)は名古屋市内の伊勢ケ浜部屋宿舎で会見し、2場所連続優勝へ意欲を見せた。

 早くも大関の自覚十分だ。伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)から「優勝を目指してほしい」と期待の言葉をかけられると、照ノ富士は「大関なので横綱と優勝争いをしなきゃいけない。それを目指して頑張りたい」と力強く語った。これまでは本場所の目標に勝ち数などを掲げてきたが、新大関となった今回ははっきりと「優勝」を宣言した。

 優勝を届けたい人がいる。今月20日に急逝した天国の音羽山親方(元大関・貴ノ浪)だ。伊勢ケ浜部屋に移籍する前に所属していた間垣部屋は音羽山親方が属していた貴乃花一門で、連合稽古などで指導を受けることが多かった。ともに1メートル90を超える長身で、抱え込む相撲が得意。最近も巡業などで声を掛けてもらうなど、照ノ富士の相撲の良き理解者だった。「いっぱいかわいがってもらった。大関になってほしいとも言われていた。寂しいです」。音羽山親方から教わった内容は「それは言わない」とあえて口をつぐんだ。表現するのは土俵の上だ。

 6月中旬から行った部屋の合宿では右ふくらはぎにうみがたまる炎症の蜂窩(ほうか)織炎を患ったが、4日ほど土俵での稽古を休み「もう大丈夫です」。大関昇進後の多忙な生活で疲れがたまったことも要因だったが、伊勢ケ浜親方は「逆にいい休養になった」と前向きに捉えている。新大関場所で優勝となれば、06年夏場所の白鵬以来。「できれば早く上がりたい」と意欲を見せる早期の横綱昇進につなげるためにも、大事な場所だ。

 ▽照ノ富士メモ 新大関は14年秋場所の豪栄道以来、昭和以降86人目で戦後70人目、平成以降23人目。平成生まれは初めて。外国出身では10人目。年6場所制以降で、初土俵から所要25場所(幕下付け出しを除く)、新入幕から所要8場所は、ともに3位のスピード昇進。

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