松山 日本勢ベストタイ66!猛追5位にメジャー「勝てる」確信

[ 2015年4月14日 05:30 ]

マスターズ最終ラウンド、最終18番でバーディーパットを沈め、ガッツポーズする松山(AP)

USPGAツアー・マスターズ最終日

(4月12日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 首位と11打差の10位から出た松山英樹(23=LEXUS)は1イーグル、4バーディーを奪いこの日の最少に並ぶ66をマーク。日本人で大会史上最少の通算11アンダー、277に伸ばしメジャー自己最高の5位に入った。これにより12位までに与えられる来年の出場権を獲得。悲願のメジャー優勝の手応えもつかんだ。初日から首位を独走した21歳8カ月のジョーダン・スピース(米国)が大会史上最少スコアに並ぶ通算18アンダー、270でメジャー初優勝を飾った。

 パトロン(観客)が取り囲む18番グリーン。松山は3メートルのバーディーパットを沈めると力強いガッツポーズを見せた。

 66はマスターズ日本人最少タイ。通算11アンダーは日本人最少を更新。日本人で初めて4日間をアンダーパーで回り、01年の伊沢利光、09年の片山晋呉の日本人最高成績4位には及ばないが、それに次ぐ5位。23歳は「60台で回れたのは凄くうれしい。メジャーでトップ10になかなか入ってなかったので、良かった」とうなずいた。

 耐えて流れを呼び込んだ。「前半から微妙なパットが入っていた。ストロークの感触がきのうまでより良かった」。6番で2メートルをねじ込むなど復調したパットでピンチをしのいだ。8番で最初のバーディーを奪うと、10番は残り178ヤードを8Iで1メートルにつけ、11番は8メートルのフックラインを沈め連続でスコアを伸ばした。

 圧巻は13番パー5。第1打を右の林に打ち込んだが、残り209ヤードの松の葉の上からの第2打で5Iを握り、前方の木を避けるためスライスをかけて打ってピン左4メートルへ2オン。この大会3個目のイーグルを奪った。

 昨年は初日に80を叩き予選落ち。捲土(けんど)重来を期しトレーニングに取り組んだ。今季1Wの平均飛距離は295・8ヤード(ランク38位)。300ヤード以上のショットを楽に打てる体をつくった。体幹が強くなりアイアンの精度も増した。パーオン率70・71%は12位にランクされる。

 オーガスタはフェアウエーが広くラフがほとんどない。グリーンは傾斜が強く落とし所が狭い。そのため300ヤード近い飛距離、ピンポイントで狙えるアイアンが攻略の条件となるが、今年の松山はそれを満たしている。大会前、米ツアー3勝の丸山茂樹も「球が高くてアイアンがうまいのでメジャーの中でオーガスタが一番向いている」と適性を指摘していた。

 本人も本気で優勝を狙っていた。だから満足感はない。「納得いくプレーが4日間続けば上位にいける。今年のセッティングなら勝てるかな」。降雨の影響で例年よりグリーンが止まりやすくスピードも出なかっただけに、余計にそう感じた。アジア最上位である04年崔京周(韓国)の3位に迫っても「やっぱり優勝したい。優勝した時に歴史が変わると思う」と言い切った。1年後の大舞台を目指し、再び走りだす。

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