スピースV 最少スコアタイ、歴代2位年少「人生最良の日」

[ 2015年4月14日 05:30 ]

マスターズ初制覇で恋人と熱い口づけを交わすスピース(AP)

USPGAツアー・マスターズ最終日

(4月12日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 最終18番。スピースは家族と恋人アニー・ベレットさんが見守る中でボギーパットを沈めると穏やかに笑った。21歳259日での優勝は97年ウッズの21歳104日に次ぐ歴代2位の年少記録。通算18アンダーの270はその年のウッズに並ぶ最少スコア。初日から頂点を譲らず完全優勝を飾った男は「人生最良の日だ」と喜びを爆発させた。

 2位に4打差をつけて最終日を迎えた。「昨晩はほとんど眠ることができなかった」というが、1番で奥から3メートルのバーディーパットを決め「あれで落ち着いた」。3番も下り5メートルのスライスラインを読み切るなどパットに支えられ逃げ切った。合計108パットは今大会3位。練習ラウンドでは同じテキサス州出身で、今回限りで大会から引退したベン・クレンショー(63)に助言を受けた。マスターズ2勝のパットの名手からグリーンの攻略法を教わり「ミスター・クレンショーのおかげ」と感謝した。

 昨年の最終日はB・ワトソンとともに首位からスタート。7番まで4バーディーを奪い抜け出したが、8、9番の連続ボギーで失速。後半は伸ばせず2位に終わった。初出場のゴルフの祭典で気を吐いたかに思われたが「悔しさしかない」と苦い思い出として胸に刻まれた。それを糧に1年後に雪辱を果たした。

 父ショーンさんは大学で野球、母クリスさんもバスケットボール選手だったスポーツ一家の長男。ブラウン大バスケットボールチームの一員の弟・スティーブンさんはNBAスカウトから注目されている。野球少年からゴルフに転向したスピースは14歳の時に「マスターズで優勝することが夢」と語ったが、わずか7年でグリーンジャケットに袖を通した。「最高の着心地。しばらく脱ぎたくない」。新時代到来を予感させた若者は感慨にふけった。

 【スピース初Vアラカルト】

 ▽完全優勝 4日間首位を守り通しての優勝は41年ウッド、60年パーマー、72年ニクラウス、76年フロイドに続いて通算5人目。

 ▽バーディー数 4ラウンド合計のバーディー数は28。ミケルソンが01年にマークした25を上回る大会史上最多。

 ▽ストローク数 18アンダーの270は97年のウッズに並んで大会史上最少。初日の64は優勝者の中では史上最少ストローク。最終日の70は完全優勝組の中ではフロイドとパーマーと並んで最少タイ。

 ▽年少記録 21歳259日での優勝は、97年のウッズ(21歳104日)に次ぐ歴代2位の年少記録となった。

 ◆ジョーダン・スピース 1993年7月27日、米テキサス州ダラス出身の21歳。09、11年に全米ジュニア優勝。12年にテキサス大の一員として全米大学選手権優勝。同年プロ転向。13年のジョンディア・クラシックで米ツアー初優勝。14年11月のダンロップ・フェニックスで日本ツアー初参戦を果たし、3位に。米ツアー通算3勝。趣味はアメリカンフットボール観戦。1メートル85、84キロ。

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