沙羅 逆転で今季初優勝、幼なじみの大ジャンプに奮起

[ 2015年1月5日 05:30 ]

雪印杯全日本ジャンプ女子で優勝した高梨沙羅の2回目

ノルディックスキー雪印メグミルク杯全日本ジャンプ大会

(1月4日 北海道・札幌市宮の森ジャンプ競技場=HS100メートル、K点90メートル)
 女子はW杯総合3連覇を目指す高梨沙羅(18=クラレ)が1回目90メートルの2位から2回目94メートルで逆転し、今季初優勝を飾った。1回目に95メートルの最長不倒をマークした高梨の幼なじみ、勢藤優花(17=北海道・旭川龍谷高)が2位に入った。3位は伊藤有希(20=土屋ホーム)だった。W杯組不在の男子は栃本翔平(25=雪印メグミルク)が96メートル、92・5メートルの244・0点で3年ぶりの優勝を果たした。

 幼なじみの勢藤の大ジャンプに高梨が奮い立った。2回目。1回目のタイミングの遅れを修正し、力強く踏み切ると、新春の大空に大アーチを描き、94メートルをマーク。逆転で今季初優勝を飾った。

 と同時に勢藤の2位が決まると、抱きついて、自分のことのように大はしゃぎ。表彰台で並び立つと「(勢藤)優花の1回目のジャンプは自分のことのようにうれしかった。そのジャンプを見て、自分も頑張ろうと思った。一緒の表彰台に立てる喜びにあふれている」と声を弾ませた。

 北海道上川町で生まれ育ち、幼稚園から中学まで一緒。勢藤がジャンプを始めると、高梨も8歳から続いた。冬は小学校から帰宅すると、すぐにジャンプ台へ。一緒にスコップでジャンプ台の踏み切り台を固め、夜遅くまで飛んだことも。今では世界のトップに君臨するが、長年、苦楽を共にした幼なじみの活躍は心底、うれしかった。

 そんな高梨も今季はなかなか調子が上がってこなかった。昨年12月W杯開幕戦(ノルウェー・リレハンメル)で3位。続く国内初戦の吉田杯(北海道・名寄)も伊藤に敗れて2位。それでも年末年始は国内で家族と過ごし、「いつもは海外だけど、お正月を堪能し、お雑煮も食べた。久しぶりに家族みんなで過ごし、リフレッシュできた」と英気を養って、新年を迎えた。この日、1回目は踏み切りのタイミングがわずかに遅れ、空中でも「腰のためがなかった」。着地もテレマークを入れられず、K点ちょうどで2位。それでも、「修正ができた」という2回目に4メートル飛距離を延ばして女王の底力を見せた。

 ようやく調子が上がり始めた中、10、11日はW杯札幌大会(宮の森)を迎える。「やらないといけないことは山積み」としながらも「昨年は(五輪など)大きな舞台を経験し、たくさんのことを学び、収穫があった。良い経験を生かし、いろんな記録に挑戦したい」と抱負。2月には世界選手権(スウェーデン)も控える2015年、新春Vから、また大きく羽ばたく。

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