前男子日本代表監督・立花氏 中国は地の利を最大限に生かした

[ 2014年10月8日 05:30 ]

体操の世界選手権男子団体総合で中国に逆転優勝を許し、落胆する内村航平(左)と白井

体操世界選手権第5日

(10月7日 中国・南寧)
 【前男子日本代表監督・立花泰則氏の目】

 内村を中心にバランスのいいチームだった日本と、ロンドン五輪以降、新しくチームづくりをしている中国の激突という構図でした。日本に小さなミスはありましたが、全員でしっかり取り戻していく戦いができていました。どれか一つがターニングポイントというわけではなく、小さな積み重ねが最後の0・1点差につながりました。

 日本は今の力を発揮してくれたし、内容も日本の方が良かったと思います。ただ、体操でホームアドバンテージはある程度、仕方がないもの。最後の張成龍選手が演技を終えた時の盛り上がり方で、審判も(技の出来栄えを示す)Eスコアを出さなきゃいけない状況に追い込まれたのでは。地の利を最大限に生かしたと言えるでしょう。

 日本としては、中国のホームで優勝することによって、リオデジャネイロ五輪への布石を打ちたかったですね。やはりリオでの最強のライバルは中国。ミスを減らすためには、代表選考会での競争力をもっと高めるべきでしょう。一つのミスで代表になれないくらい、シビアな戦いを経験することが必要になります。(前男子日本代表監督)

 ▼団体総合の競技方式 予選は6人中5人が演技し、上位4人の得点を合計する。予選の得点を持ち越さずに行われる決勝は6人中3人が演技し、3人全員の得点を合計して争うため1人もミスが許されない。

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