成田 逆転初メジャーV!マー君似、10日の好投で“確信”

[ 2014年5月12日 05:30 ]

サロンパス杯ワールドレディス最終日、優勝カップを手に笑顔の成田美寿々

ワールド・レディース・サロンパス・カップ最終日

(5月11日 茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部西コース=6630ヤード、パー72)
 2位から出たプロ3年目の成田美寿々(21=オンワードホールディングス)が、5アンダーの67、通算9アンダーで回り、逆転でツアー通算3勝目を飾った。21歳215日でのメジャー大会制覇はツアー史上6番目の年少記録。10日に59歳の誕生日を迎えた母・和子さんへ、母の日に最高のプレゼントを贈った。注目のアマチュア・勝みなみ(15=鹿児島高1年)は71の通算5オーバーで33位だった。
【最終R成績】

 最終18番、50センチのパーパット。決めれば優勝となるパットの前に成田は緊張を解くように天を見上げ、両手をぶらぶらさせた。「あんなに震えたのは初めて」という重圧の中、カップの向こう側の縁にガツンと当てる強気のタッチで見事にカップインさせた。45分後に行われた会見では「うれしすぎて、まだ手が震えている」と興奮冷めやらぬ様子で振り返った。

 7番までに3つスコアを伸ばし、9番で同組のフォン・シャンシャンがボギーを叩き首位に並ぶ。3試合前から目の前の一打に集中するため、プレー中は成績ボードを見ないようにしていたが、16番でパットのライン後方にボードがあり思わず見入ってしまった。すると“敵”はフォン・シャンシャンただ一人。相手は海外メジャーを制した実力者だが「自分のプレーをするしかない」と覚悟を決めた。17番でともにバーディーを決め、タイで迎えた最終ホールでフォン・シャンシャンが90センチを外し、ビッグタイトルを手にした。

 さばさばとした性格で、笑顔がヤンキースの田中投手似といわれる。10日にマー君が勝利を挙げると、次は自分が勝つ番だとばかりに父・俊弘さん(59)に「もらった」と宣言したという。母・和子さんによると、中学時代はソフトボール部に所属し、試合はDHで出場。3割以上の打率を残し「満塁にして私に回して」と言ってのける強心臓が最後の強気のパットにもつながった。

 オフには400メートルダッシュ8本をインターバル1分で行うハードトレを敢行。「肺が破裂するかと思った」という厳しい特訓を乗り越えつかんだ初のメジャータイトルに「やっと報われた」と胸を張った。そして母の日の勝利に「(和子さんも)うれしいと思ってくれていると思う」と笑顔で喜びをかみしめていた。

 ◆成田 美寿々(なりた・みすず)1992年(平4)10月8日、千葉県市原市生まれの21歳。小学6年でゴルフを始め、拓大紅陵高入学後、本格的に取り組む。10年関東ジュニア優勝。日体大在学中の11年に受けたプロテストは不合格だったが、同年のツアー最終予選会で26位に入り、12年のツアー出場権を獲得。同年の富士通レディースで初優勝。昨年のNEC軽井沢72で2勝目。1メートル67、60キロ。

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