桐生 10秒46で5位…ガトリンとの“差”実感、進化誓う

[ 2014年5月12日 05:30 ]

セイコーゴールデングランプリ男子100メートルで、ガトリン(左)と並んで走る桐生(右)

陸上セイコー・ゴールデングランプリ東京

(5月11日 東京・国立競技場)
 男子100メートルで桐生祥秀(18=東洋大)は向かい風3・5メートルの中、10秒46の5位だった。20年東京五輪に向けて改築工事に入る国立競技場では最後の陸上の大会で、04年アテネ五輪金メダルで10秒02で優勝したジャスティン・ガトリン(32=米国)との実力差を見せつけられた。日本初の9秒台、6年後のTOKYOへ、ワンダーボーイが進化を誓った。

 期待された9秒台にも海外勢にも、遠く及ばなかった。青空の下、聖火が揺れるラスト国立で、桐生の心にともったのは不屈の火だ。10秒46で5位。「悔しさというより、こんなに違うんだって思った。こういう感覚は忘れていた」。昨夏の世界選手権で予選落ちを喫して以来の感覚を味わった18歳は、「どこも勝てなかった。全部、強くなりたい」と前を向いた。

 向かい風3・5メートルという条件の中、ガトリンは桐生のベスト10秒01に匹敵する10秒02をマーク。「自分の(10秒)01は追い風。力が全然違う」。4月29日の織田記念国際で右太腿裏に違和感を覚え、本格的に練習を再開したのがレース4日前の7日。土江コーチは「最初から回転が上がってこなかった。練習ができてなかったので、全体の流れが無難だった」と説明した。

 今、日本最速の18歳は進化のためにあえて亀の歩みを選択する。最近、取り組んでいるのは、腿上げなど高校時代に汗を流した基礎練習。「今やってみる価値はある。基礎は積み上げた分だけ強くなる」。実感した世界との距離を縮めて6年後、TOKYOの夢舞台で主役を演じる。

 ▼ガトリン 桐生は自分が19歳の頃より全然速いと感じた。やるべきことをやれば成功するアスリートになれる。(10秒02で優勝)

 ◇男子100メートル成績(向かい風3.5メートル)1ガトリン(米国)10秒02、2ロジャーズ(米国)10秒11、3ルメートル(フランス)10秒31、4マシュー(バハマ)10秒41、5桐生 祥秀(東洋大)10秒46、6大瀬戸一馬(法大)10秒47、7川面聡大(ミズノ)10秒48、8リザート(オーストラリア)10秒63

続きを表示

2014年5月12日のニュース