錦織 マスターズ初決勝!アジア男子最高世界ランク9位確定

[ 2014年5月12日 05:30 ]

テニス・マドリード・オープンの男子シングルス準決勝でダビド・フェレールを破り、観客の声援に応える錦織圭

マドリード・オープン

(5月10日 スペイン・マドリード)
 男子シングルス準決勝で世界ランキング12位の錦織圭(24=日清食品)が、5位のダビド・フェレール(32=スペイン)を7―6、5―7、6―3で破り、年間9大会あるマスターズ大会で初の決勝進出を果たした。大会後のランキングはこの勝利で9位が確定。73年の現行制度施行後では、タイのパラドーン・スリチャパン(34)と並ぶアジア勢男子最高位まで上り詰めた。11日の決勝は出場2大会連続優勝を懸け、同1位のラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。

 フェレールに味方していた地元スペインのファンも、試合が終わると日本の24歳に惜しみない拍手を注いだ。2時間55分の熱戦で空はすっかり暗くなっていた。錦織は全てを出し切った表情で夜空を見上げ、その手で顔を覆った。

 最終セットは3―2からの第6ゲームをブレークし、5―3で自らのサービスゲームを迎えた。しかし、ここからが長かった。40―0からジュースに持ち込まれると、互いに譲らずジュースは10回を数えた。錦織もフェレールの4本のブレークポイントをしのぎ、このゲームだけで15分以上を費やした。最後はこの日10度目のマッチポイントで勝負が決まった。

 準決勝に残ったのは錦織以外は全員がスペイン勢だった。クレー王国の中でも、機動力とタフネスを誇るフェレールは特にクレー巧者でもある。錦織は過去に3勝(3敗)していたが、クレーでは今回が初勝利。「ほかの選手より走るし、しぶとい」。そんな相手に打ち負けず、動き勝った。

 「トップ10の選手に対して自分から攻めてポイントを取れるというのは以前はなかった。今はハードコートの時のように攻め切ることができている」。ビッグサーバーが相手だった3回戦、準々決勝と違うストローク戦でも真価を証明。第2セット終了後には腰の治療を受けたが、最後まで相手を振り回し、自分から仕掛ける姿勢は変わらなかった。敗れたフェレールも「彼は一段上のレベルに達した」と認めた。

 大会後の世界ランキングは現在の12位から9位まで上昇する。女子では李娜(中国)が2位だが、男子ではアジア勢最高位。ツアー5勝を挙げたタイの元スター選手、スリチャパンに肩を並べた。錦織はアジアの枠も突き破り、世界的選手へと脱皮しようとしている。

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