東京五輪後神宮再開発プラン!神宮球場と秩父宮の場所入れ替えへ

[ 2013年11月19日 05:30 ]

(手前から)秩父宮ラグビー場、神宮球場、神宮第2球場、国立競技場(毎日新聞社ヘリから)

 日本ラグビーフットボール協会の森喜朗会長(76)が18日、東京・秩父宮ラグビー場で開催された「奥克彦大使10周忌追悼記念試合」に出席。20年の東京五輪後に、明治神宮外苑にある神宮球場と秩父宮ラグビー場を含む周辺一帯の再開発プランが存在することを明かした。構想では神宮球場と秩父宮の場所が入れ替わる予定で、実現すれば日本のスポーツ界にとっても一大プロジェクトになりそうだ。

 森会長によれば、20年の東京五輪期間中に駐車場として利用するため秩父宮ラグビー場を撤去。五輪閉幕後の跡地に新たな神宮球場を着工するという。球場完成後には、入れ替わるように現在の神宮球場の位置に新たなラグビー場を建設。ラグビー協会トップの元首相は「(ラグビー場を)あっち(神宮球場の方)に移すっていう話がある。野球場と入れ替えようと」とプランを明かした。

 東京六大学野球が開催されるほかヤクルトが本拠球場として使用する神宮球場は、1926年に開場。これまでに何度も改修を経ているが、施設の老朽化は深刻だ。一方で森会長はラグビー場について「新しく建てる時は、両スタンドにちゃんと屋根付けてさ。ラグビーは冬で、雨の多い時でも試合でもやるからね。風も良くないんですよ。このビル風があるから」と打ち明けた。現在のラグビー場はメーン(西)スタンドと南スタンドに屋根があるのみ。新ラグビー場はスタンド全面に屋根が架けられることにより、雨や雪の心配なく観戦可能となる。さらに現在のラグビー場は南側に隣接して地上22階建て、高さ90・9メートルの伊藤忠商事東京本社ビルがそびえ立つ。強いビル風がプレーにも影響しているだけに、移転によって軽減されるメリットがある。

 両スタジアムの移転を含む今回の再開発プランは地権者の同意、数千億円に上るとみられる費用を含めて課題が山積し実現性に関しては不透明な段階。乗り越えるべきハードルは確かに高い。この日、計画について東京都の都市整備局都市づくり政策部土地利用計画課の飯泉洋課長は「特段そのような計画は決まっていない」と発言。明治神宮外苑の成瀬伸之総務部長も「何も公的には決まっていない」と話すにとどまった。一方で元首相で20年東京五輪の招致にも尽力したスポーツ界のドンの発言だけに重みがあるのも確か。森会長は「野球はドームになるらしい」と新神宮球場のドーム化構想にまで言及した。19年3月に完成予定の新国立競技場とともに神宮外苑地区の再開発が実現すれば、日本のスポーツシーンが生まれ変わることは間違いない。

 ▽神宮球場 正式名称は明治神宮野球場で、1926年(大正15)10月に開場。東京六大学野球の開催球場として生まれ、64年からはヤクルトが本拠球場として使用している。82年のフェアグラウンド人工芝敷設、08年の外野拡張など、幾度も改修工事が行われている。

 ▽秩父宮ラグビー場 1947年(昭和22)11月に東京ラグビー場として完成。53年から現名称。64年の東京五輪ではサッカー競技の会場として利用された。収容人数は2万5194人。大学ラグビーやトップリーグが行われ、日本ラグビー界の聖地として知られる。

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2013年11月19日のニュース