16歳山口茜 最年少V!日本勢初頂点も「私なんかでいいのかな」

[ 2013年9月23日 06:00 ]

女子シングルスで優勝し、メダルを手にポーズをとる山口茜

バドミントンヨネックス・オープン・ジャパン最終日

(9月22日 東京体育館)
 女子シングルス決勝は、16歳の山口茜(福井・勝山高)が打田しづか(24=日本ユニシス)を21―15、21―19で下し優勝。全種目を通じて日本勢初優勝を飾り、16歳3カ月16日のスーパーシリーズ最年少優勝記録も打ち立てた。男子シングルスの田児賢一(24=NTT東日本)は決勝で世界ランク1位のリー・チョンウェイ(マレーシア)に21―23、17―21で敗れた。

 快挙を達成しても表情は変わらなかった。史上最年少。16歳3カ月16日でのスーパーシリーズ制覇。それでも、山口は「優勝なんて夢にも思わなかった。記録を塗り替えるのが私なんかでいいのかな」と照れ笑いした。

 8歳上の打田に対し「相手の動きが硬かった。自分の方が気楽に入れた」と大きなラリーで主導権を握った。第2ゲームではミスも出たが「すぐに切り替えた」とコートの奥深くまでシャトルを返してリズムを取り戻し、ネット際に落とすショットを織り交ぜて相手を翻ろうした。

 3歳の時に親にせがんで自転車の補助輪を外してもらい、1日で乗りこなした抜群の運動神経。前後左右に揺さぶられて姿勢を崩されかけても、的確な返球ではね返した。日本代表の佐藤翔治コーチが「天性のバランスの良さがある」と評する能力の高さで予選からの7試合を勝ち抜いた。

 次戦は東アジア大会(10月、中国・天津)。20年東京五輪での活躍が期待される16歳は「まだ1回勝っただけなので、おごらず頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。

 ◆山口 茜(やまぐち・あかね)1997年(平9)6月6日、福井県勝山市生まれの16歳。2人の兄の影響で3歳からラケットを握り、5歳から本格的に競技を始める。シングルスでは11年の全日本総合選手権で史上最年少14歳で本戦出場。昨年の世界ジュニアで銀メダル。勝間南部中時代は5教科の総合得点で学年2位になるなど学業も優秀だった。得意科目は国語。1メートル56、右利き。家族は両親と兄2人。

 ▽スーパーシリーズ 世界バドミントン連盟(BWF)が五輪、世界選手権に次ぐ格付けで、07年にスタートした年間12大会で戦うシリーズ。そのうち、伝統の全英、韓国、インドネシア、デンマーク、中国の5つのオープンはプレミアとされ、世界ランキングのポイントが高い。日本選手は10年のデンマーク・オープンで女子ダブルスの末綱聡子、前田美順組(ルネサス)らが制覇。

続きを表示

2013年9月23日のニュース