萩野、銀メダル発進!“専門外”で53年ぶり快挙

[ 2013年7月29日 06:00 ]

男子400メートル自由形決勝、笑顔でタイムを見る萩野

水泳世界選手権第9日

(7月28日 スペイン・バルセロナ)
 歴史的快挙だ。競泳が開幕し、男子400メートル自由形決勝で萩野公介(18=東洋大)が日本新の3分44秒82で、銀メダルを獲得。専門外にもかかわらず、同種目の世界大会では60年ローマ五輪の山中毅以来53年ぶりの表彰台を獲得する快挙を成し遂げた。個人6種目にエントリーして複数のメダル獲得を狙う萩野は、29日に100メートル背泳ぎと200メートル自由形に出場する。

 53年ぶりの快挙にも18歳の怪物は動じなかった。孫楊が世界新を上回るペースで引っ張る中、4位で最後のターンをした萩野はラストスパートをかけた。残り20メートルで先を行くイエガー、コーナーをかわした。電光掲示板に2位の文字が躍る。「400メートル自由形の練習もしっかりやってきたので、世界の決勝でいかに(力を)出せるか。メダルを視野に入れていきたい」と宣言通りに銀メダルを獲得。日本選手の表彰台は60年ローマ五輪の山中毅の銅メダル以来53年ぶりの快挙。それでも萩野は「メダルはうれしいけれど、タイムに納得はしていない」と言うから末恐ろしい。目標の「金を含む複数メダル獲得」へ、一気に視界が開けた。

 「日本記録は間違いなく出る。3分44秒真ん中くらいを出せばメダルに絡めると思う」。まさに有言実行だ。松田丈志の持つ3分44秒99を0秒17縮める日本新記録。200メートル、400メートル個人メドレーに続き自身3つ目の日本記録を樹立した。昨夏ロンドン五輪では400メートル個人メドレー決勝で日本記録をマーク。各年代で記録を更新してきた“怪童”が、またしても世界舞台で結果を残した。

 今大会に向け、持久力の練習をメーンに取り組んできた。金メダル候補筆頭の専門種目である400メートル個人メドレーは最終日に行われるため、8日間のレースをこなしながら、持久力を落とさないことが求められる。前日練習でも日本チームの最後までプールで泳いだ。

 2日目は100メートル背泳ぎと200メートル自由形の2種目。平井コーチは「200メートル自由形と100メートル背泳ぎの日がヤマ場かな」と予想する。持久力からスピードへの切り替えが鍵を握りそうだ。「始まったら一瞬。まだまだバルセロナを楽しみたい」。和製フェルプスの挑戦が始まった。

 ◆萩野 公介(はぎの・こうすけ)1994年(平6)8月15日、栃木県小山市生まれの18歳。東洋大1年。生後5カ月でベビースイミングを始め小2時のジュニアオリンピック杯(9歳以下)で50メートル背泳ぎと200メートル個人メドレーで全国初優勝。作新学院高1年時にパンパシフィック選手権日本代表。同3年時にロンドン五輪男子400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した。今年4月の日本選手権で大会史上初となる5冠を達成した。1メートル75、70キロ。

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