松山 史上最速プロ5戦目で2勝目!賞金3億円狙える!?

[ 2013年6月3日 06:00 ]

<ダイヤモンドカップ最終日>ウイニングパットを決めガッツポーズを見せる松山

男子ゴルフツアー ダイヤモンド・カップ最終日

(6月2日 茨城県東茨城郡大洗町、大洗ゴルフ倶楽部=7190ヤード、パー72)
 怪物ルーキーが史上最速となるプロ5戦目で2勝目を飾った。首位から出た松山英樹(21=東北福祉大)は、4バーディー、3ボギーの71でまとめ、通算9アンダーの279で優勝。首位で出ながら金亨成(32=韓国)に9打差を逆転され、2位に終わった前戦の日本プロ選手権の雪辱を果たした。アマ時代を含めると通算3勝目。同じく首位から出た中嶋常幸(58=フリー)は、3バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの75と崩れ、通算5アンダーの283で6位だった。
【最終R成績】

 苦しめられた潮風が心地よかった。2パットでも優勝が決まる最終18番の2メートルのパーパット。松山はカップ中央から沈めると右拳を2度振り下ろした。「(同組の)中嶋さんから“外したらぶっ飛ばしてやろうと思っていた”と言われた。入って良かった」。今季2戦目、つるやオープン以来のプロ2勝目。「日本プロで負けたのが頭に残っていて、きょうも負けるんじゃないかと思った。勝ててうれしい」。怪物の頬が一気に緩んだ。

 悔しさをバネにした。2位に4打差をつけて出た日本プロ最終日。出だしの1番で50センチのパーパットを外し、「ミス」を最後まで引きずった。結果は9打差を金亨成(キムヒョンソン)に逆転されて2位。「今でも後悔する一打。でも今週は後悔するようなパットがなかった」。2番でバーディーを先行させ、5番でボギーを叩いたが、この日は悪い流れを引きずらなかった。続く348ヤードの6番パー4は1Wを握り計算通りにグリーン手前のバンカーに入れた。そこから2メートルに寄せてバーディー。10番のバーディーで単独首位に浮上すると風が強まった中盤からは堅実なプレーで逃げ切った。

 大洗は2年前の東日本大震災で津波の被害に遭った。同じく被災した仙台の大学に通う松山にとって今大会への思いは強かった。「被災された方の近くでプレーする時には諦めないプレー、粘り強いプレーを見せなきゃいけない」。言葉通りのゴルフで声援に応えた。優勝副賞の300キロの米を被災地へ送ることも検討している。

 記録の残る85年以降ではプロ5戦目での2勝目は最速。5試合で獲得した賞金は約7400万円。このペースなら年間獲得賞金は前人未到の3億円を優に超える。ただ、目先の勝利ばかりを追っているわけではない。

 今大会もプレー後に宿舎近くの大洗海岸で走り込んだ。全てはメジャー制覇を見据えた努力だ。明徳義塾高3年で出場した09年大会では30位でベストアマチュアとなったが、当時から「成長したなあ」と振り返る。4年間で、身長は2センチ伸びて1メートル81、体重は13キロ増え85キロとなった。ウエスト回りも6センチ大きくなって91センチ。歩く時には内股がすれるほど足もたくましくなった。1Wの平均飛距離は20ヤード伸び300ヤード近く飛ばす。「ティーショットで1Wを持たなくても良くなった」。成長した肉体がプレーの選択肢を広げている。

 7日には全米オープン(13日開幕、米ペンシルベニア州メリオンGC)に向け渡米する。「今のままではメジャーで勝てない。もっともっと練習して技術を磨けばつながっていく」

 今回の勝利も夢のメジャー制覇への通過点にすぎない。

 ≪ウッズと同じ日本ツアーVペース≫松山はタイガー・ウッズ(37=米国)にも肩を並べた。ウッズは過去日本ツアー5試合に出場し11、12年のダンロップ・フェニックスで優勝。国内ツアープロ5戦で2勝は世界最強男と同じ日本ツアーの勝利ペースだ。

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