錦織 4回戦の相手は3連覇中のナダルに決定

[ 2013年6月3日 06:00 ]

4回戦に進出、錦織と戦うことになったナダル

全仏オープン第8日

(6月2日 パリ・ローランギャロス)
 日本男子75年ぶりの全仏4回戦進出を果たした錦織圭(23=日清食品)が、3日にベスト8進出を懸け、大会7度の優勝を誇るラファエル・ナダル(27=スペイン)と対戦する。現在3連覇中のナダルは、全仏では55勝1敗と圧倒的な強さを見せる“赤土の絶対王者”。錦織は過去の対戦で4戦全敗だが、世紀の番狂わせを狙う。

 全仏の大舞台で最悪の、いや最高の相手との対戦が決まった。錦織はナダルについて「クレーで一番強い」と語り、「今の自分の普通のスタイルではなかなかチャンスがない。リスクを負わないとチャンスは生まれない。何か考えたい」と大胆な作戦を立て、勝負を懸ける考えを示した。

 ナダルとの初対戦は08年6月のアルトワ選手権。ただし、初めてボールを打ち合ったのは、その2年前だった。全仏オープンと並行して行われる全仏ジュニアのダブルスで優勝。そのおかげで、栄えあるナダルの決勝前の練習相手を任された。その時と同じローランギャロスで、今度はベスト8進出を懸けて向かい合う。

 一方で当時のことを聞かれたナダルは「本当!?ここでケイと(練習を)やったの?いや、ごめん。記憶力はいいはずなんだけど。おかしいなあ。覚えてないよ」と苦笑した。それでも、現在の錦織については「ケイには常に敬意を持っている。とても攻撃的でファンタスティックな選手だ」と高く評価した。

 全仏でのナダルは、4回戦でソデルリングに敗れた09年以外はすべて優勝。戦績は55勝1敗だ。しかも、そのうち16セットしか落としていない。クレーでは驚異的な強さを誇るが、今大会はまだ本領発揮できていない。雨で試合日程が崩れたことなども影響し「まだプレーに不安がある。もっと落ち着いていいプレーをしないと、マジョルカに帰って釣りに行くハメになる」と語った。

 錦織にも、決して付け入る隙がないわけではない。絶対王者に土をつけることができれば、今度こそ忘れ去られることはないはずだ。

 ≪錦織の大物食い≫トップ10に勝ったのは過去に8回。世界126位だった08年全米オープン3回戦で、同4位のフェレール(スペイン)をフルセットで撃破したのが初めて。11年11月のスイス室内準決勝では、故障明けだった世界1位のジョコビッチ(セルビア)を破った。昨年の全豪オープン4回戦では、世界6位のツォンガ(フランス)に勝ちって4大大会初のベスト8進出。先月のマドリード・オープンではフェデラー(スイス)から初勝利を挙げた。

 ◆3日の全仏オープンテレビ放送
 ▽WOWOWライブ 17・55~、24・00~

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2013年6月3日のニュース