最速・佐藤悠基 2・24東京マラソンで藤原新と激突

[ 2013年1月25日 06:00 ]

東京マラソンに出場する佐藤悠基

 現役最速ランナーが、ついに42・195キロに挑戦する。2月24日号砲の東京マラソンの招待選手が24日に発表され、昨夏のロンドン五輪で5000、1万メートルに出場した佐藤悠基(26=日清食品グループ)がエントリー。東海大時代に箱根駅伝で3年連続区間新、1万メートルの自己ベスト27分38秒25(日本歴代3位)の現役最速のエリートが、昨年の東京でブレークした藤原新(31=ミキハウス)らと激突する。

 長距離界の至宝がフルマラソンのスタートラインに立つ。3000メートルの中学記録、1万メートルの高校記録を保持し、箱根駅伝では1年時から3年連続区間新をマーク。1万メートルで日本歴代3位の記録を持ち、現役最速のスピードを誇る佐藤が、東京マラソンにエントリーした。昨年は無職で注目を浴びた藤原と、公務員の川内が激突した東京。今年は実業団のスーパーエリートが参戦し、藤原らと争う。

 固い意志で挑戦を決めた。16年リオデジャネイロ五輪にはマラソンでの出場を目指している佐藤は、今季中に42・195キロに挑むつもりだった。だが、昨年11月末に左ふくらはぎを肉離れ。元日のニューイヤー駅伝ではエース区間の3区を走れず、つなぎの6区に回ったものの、区間10位とチームに貢献できなかった。調整遅れで本来のスピード感はなかったが、駅伝後に佐藤は所属の白水(しろうず)監督に東京への出場を直訴。「佐藤本人が“どうしても出たい”と言うのでね」と同監督は説明した。

 佐藤は今月10日から19日まで、鹿児島・奄美大島で行われた全日本実業団連合の合宿に参加。他チームの選手とともに40キロ走を2本、20キロ走も1本順調に消化し、白水監督も出場にGOサインを出した。東京は8月の世界選手権(モスクワ)の代表選考会だが、現段階で目標には設定していない。「タイムも世界選手権も意識していない。今回はとにかく走ってみようということ」と同監督。無欲のアタックが、男子マラソンの新時代を切り開く。

 ▽世界選手権の男子マラソン選考 枠は5。国内選考レースは昨年12月の福岡国際、2月の東京、3月のびわ湖毎日。2時間8分を切った日本人トップの選手は代表に決定。福岡では堀端が2時間8分24秒で日本人トップとなり有力候補に。今春のボストン、ロンドンで2時間8分を切った選手は代表候補となり、条件を満たす選手がいない場合、2月の別大を含めた国内4大会の日本人3位以内から選考する。

 ◆佐藤 悠基(さとう・ゆうき)1986年(昭61)11月26日、静岡県駿東郡出身の26歳。小学6年で陸上を始め、長野・佐久長聖高から東海大に進学。箱根駅伝では1年3区、2年1区、3年7区で区間新、4年は3区で区間2位だった。09年に日清食品グループに入社すると4月に1万メートル日本歴代3位の27分38秒25をマーク。昨年は日本選手権を制し、ロンドン五輪に出場し、5000メートルは予選落ち、1万メートルは22位。1メートル78、59キロ。

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