康生監督“非常事態”宣言 男子100キロ超級低迷

[ 2012年12月3日 06:00 ]

100キロ超級2回戦で七戸に敗れ引き揚げる上川(左)と目を合わせず、下を向く井上監督

柔道グランドスラム東京大会最終日

(12月2日 国立代々木競技場)
 注目の男子100キロ超級は七戸龍(24=九州電力)が4強入りしたのが最高。日本柔道の看板階級の低迷に、井上康生新監督と鈴木桂治担当コーチはそろって“非常事態”を宣言した。同100キロ級は小林大輔(24=ALSOK)がオール一本で初優勝。女子78キロ超級決勝では田知本愛(めぐみ、23=ALSOK)がロンドン五輪金メダルのオルティス(キューバ)に一本勝ちし意地を見せた。同78キロ級は佐藤瑠香(20=コマツ)がロンドン代表の緒方亜香里(22=筑波大4年)を下し初優勝した。

 力なく「う~ん、想定内ですかね」と浮かべた井上監督の苦笑いが、現実の厳しさを物語った。日本柔道の看板だった最重量級の苦闘。世界ランク10位以内の海外選手は3人だけというホームでの戦いで、4人が出場して3位が精いっぱいだった最重量級。「お家芸とか言いますけど、落ちるところまで落ちてるというのが現実ですね。これを隠さず、受け止めないといけない」と覚悟を決めたように話した。

 ロンドン五輪代表だった上川が七戸に合わせ技で一本負けするなど、準々決勝で3人が姿を消した。七戸も準決勝でロンドン銅メダルのシルバ(ブラジル)に指導2で敗退。重量級担当の鈴木コーチは「大会が始まる前と何も変わっていない」とし、上川に関して「技術的にもそうだけど、精神的に変わらないと厳しい」と苦言を呈した。

 「この4人が来年の世界選手権に一番近い選手。そう考えると、厳しいですね」と井上監督。「他の階級とは全く別の強化を考えていかないと」と話し、最重量級で活躍した先人たちにアドバイスを求める考えも示したが、近年最強の柔道家2人がタッグを組んだとはいえ、復活への道のりは険しそうだ。

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2012年12月3日のニュース