旭天鵬 無傷の3連勝!通算807勝で歴代9位タイに

[ 2012年9月12日 06:00 ]

<大相撲秋場所3日目>旭天鵬(右)は、北太樹を寄り切りで破る

大相撲秋場所3日目

(9月11日 両国国技館)
 幕内最年長の旭天鵬がよみがえった。平幕・北太樹を一方的に寄り切り無傷の3連勝で、通算807勝は水戸泉(現錦戸親方)に並ぶ歴代9位タイの記録。史上最年長初優勝を飾った夏場所の再現もありそうな勢いだ。横綱・白鵬は初顔の魁聖を下手投げで下し、綱獲りの大関・日馬富士は松鳳山を寄り切り、ともに無敗を守った。大関の稀勢の里、鶴竜、平幕の隠岐の海、高安を合わせ、全勝は7人となった。

 夏場所で史上最年長初優勝を成し遂げた幕内最年長37歳の旭天鵬が勢いを取り戻した。過去1勝4敗と分が悪かった北太樹に対し、右のかち上げで出足を止め、右四つから一気に寄り切り。「きれいに決まった」と自画自賛する会心の内容で3連勝。2勝に終わった名古屋場所の勝ち星を早くも上回り、92年春場所初土俵からの通算勝利数を元関脇・水戸泉に並ぶ歴代9位の807とした。

 初優勝フィーバーの余韻があった名古屋場所は重圧を感じて自滅した。「番付発表から本場所のような気持ち」と初日の2週間前から極度の緊張に襲われ、初日から13連敗。今場所、地獄からはい上がれた原動力は家族だった。都内の自宅で過ごす時間が何よりの癒やしで、朝稽古後にはいったん帰宅して長男・蓮君(1)と遊ぶのが日課だ。父親が力士と認識できてきた長女・柚希ちゃん(4)には、記憶に残る晴れ姿を見せたい思いもある。優勝額が披露された初日に家族を国技館へ招いた。

 後輩の躍進も発奮材料だ。前所属の大島部屋時代に付け人だった旭日松が今場所で新入幕を果たした。「番付社会だから、いつか入れ替わる時がくる。簡単にそうならないように、いっぱい汗をかかないと」。場所中も朝稽古で旭日松らと申し合いをこなし、大粒の汗をかく。食欲も若手に負けないほど旺盛だ。

 元気を取り戻したベテランの次の目標は勝ち越しだ。あと5勝を挙げて給金を直せば、元関脇・高見山の通算812勝に並ぶ。「俺はプレッシャーに強くないタイプ。気楽にやった方がいい」。夏場所は自分の相撲を取り続けて優勝を飾っただけに、このまま平常心を保っていければ…。地力のあるベテランの東京場所連覇は決して夢ではない。

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2012年9月12日のニュース