温かい言葉に揺れた心とスイング…古閑「緊張」54位

[ 2011年10月8日 06:00 ]

4番、ティーショットを放つ古閑美保

SANKYOレディース第1日

(10月7日 群馬・吉井CC=6674ヤード、パー72)
 今季限りでの引退を発表した古閑美保(29=京セラミタ)が、引退表明後初めての試合に臨んだ。強風に苦しみながら2バーディー、5ボギーの75で3オーバーの54位。ファンや関係者から引退を惜しむ声をもらいながら、予選通過の50位タイ以内を目指して2日目の“ミホチャージ”に懸ける。野村敏京(18=フリー)が4アンダーの68で首位に立ち、大山志保(34=フリー)らが3アンダーの69で2位につけた。
【第1R成績】

 強い風に揺らいだスイングと同じように、温かい言葉に心が揺れた一日だったかもしれない。「前半がちょっと悪かった。ちょっと緊張しちゃいました」と古閑は照れくさそうに振り返った。

 引退発表してから最初の試合。報道陣の数もいつも以上に多かった。水曜日の練習日は雨にたたられて9ホールのみのプレーとなり、前日のプロアマ戦は出場しなかった。日本女子オープンに出場できなかった先週もラウンドはしなかったために、久しぶりのラウンドだった。

 強風の吹き荒れる難コンディションで、1番は20メートルを3パットしてボギー発進。「久しぶりだったし、コースの状態が分からず、大事にいこうと思ったのが緊張に変わっちゃった」。出だしでつまずいて緊張感は助長されたが、後半に入ると風やグリーンの読みにも次第に慣れ、落ち着きを取り戻していった。

 周囲の声も温かく響いた。ホール間のインターバルではギャラリーから「残念だなあ」という声が何度も漏れ聞こえてきた。この日同組だった有村の川口淳キャディー(36)や佐伯の小畑貴宏キャディー(32)も突然の引退を惜しんでくれた。10番のパー4、2打目をグリーン奥に外し、カラーとラフの境の難しいライに止まった。これをスピンを利かせたアプローチで1メートルに寄せてパーセーブすると、「今からでも引退撤回すれば?もったいないなあ」と声を掛けられた。これまでに一緒に優勝も経験してきた2人。「みんなにそう言ってもらうと…ありがたいですよね」と古閑は少しだけしんみりとした様子も見せた。今季は吉田万里子キャディーを帯同しているが、09年から2年間起用した川口キャディーとは、3週後の森永製菓ウイダー・レディースで1試合だけの惜別タッグを組むことも決めている。

 引退へのカウントダウンが始まったが、予選落ちで消えるのはもったいなさすぎる。決勝ラウンドに進出できるのは50位タイまで。「頑張ります。ショットはいいからパットですよね」。引退前にできるだけ多くのファンに自分の姿を見せたい。そのためには1ラウンドも無駄にするわけにはいかない。

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