遼くん今季初首位!ぶれない心と1Wで攻めた!

[ 2011年10月8日 06:00 ]

首位で迎えた18番、ラインを読む石川遼

キヤノン・オープン第2日

(10月7日 神奈川・戸塚CC西コース=7168ヤード、パー72)
 武器の1Wを握って果敢に攻めた石川遼(20=パナソニック)が、今季初めての首位に立った。1打差の2位から出ると7バーディー、2ボギーの67をマークし通算12アンダーまでスコアを伸ばした。1打差の2位に66で回った小山内護(41=フリー)が続いている。池田勇太(25=日清食品)は70で通算6アンダーの9位につけている。
【第2R成績】

 狭いフェアウエーの左右にバンカーがある340ヤードの4番パー4。石川はためらうことなく1Wを握った。こん身の力で振り抜くと300ヤード付近の左ラフにまで飛んだ。残り40ヤードからピン手前3メートルにつけこの日、2つ目のバーディー。333ヤードの12番パー4でも、パーに終わったが、1Wを使った。そこには揺るぎない信念があった。

 「去年は4番は毎日2Iで、12番は毎日3Iを使っていた。(バーディーを狙うのに)ドライバーを打っても得するわけじゃないけど、狭いロケーションでの精度が要求される。そこで打つことで良い練習になる」。首位に立ちながら、他の選手が聞いたらうらやむような「練習」という言葉。それは「マスターズで勝つこと。そこに全てがつながっている」という究極の目標を掲げているからこそだった。

 前戦のコカ・コーラ東海クラシックを27位で終え、自宅に戻った時に「今季は勘違いしていた。(初めて予選を通過した)4月のマスターズが終わってから妥協というか、ダレていた。もっと練習できたと思うし、もったいなかった」と無駄に過ごした日々を悔やんだ。練習に打ち込むことを決め、目先の成績を求めるのではなく、夢実現のため武器の1Wを磨くことを誓った。

 だからこそ67の好スコアにも、後半からフェアウエーへ無意識に置きにいったショットが出始めたことを反省した。フェアウエーキープも6度で「良いプレーをした実感はない。自分の中ではまだまだ」。賞金ランク首位のベ・サンムンが予選落ちし、今季初めて首位に立ったことで、最年少20歳でのツアー10勝と4年連続獲得賞金1億円に期待が高まるが、「今この位置にいるのが不思議。優勝したいというガツガツした気持ちはない」

 ただ、08年のマイナビABCのようにスイングに集中しプロ初勝利をつかんだ経験もある。「どんなに球が曲がっても死ぬわけじゃない。結果が全てじゃない」。今の石川には無心ゆえのぶれない強さが出てきている。

 ≪第2日首位は5試合中2度V≫石川がラウンドを終えて首位に立つのは、優勝した昨年11月の三井住友VISA太平洋の最終日以来、およそ1年ぶり。また、第2日時点で首位に立ったのは過去5試合あり、優勝は09年のサン・クロレラ、同フジサンケイの2回。なお、今回同様に第1日が2位、第2日が1位の試合は2度あるが、いずれも優勝していない。

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