この演技ロンドンに届きますように…理恵“あゆ魂”で舞う

[ 2011年10月8日 06:00 ]

練習前、笑顔でストレッチする田中(右)

体操世界選手権第1日

(10月7日 東京体育館)
 歌姫パワーで出陣だ。体操の世界選手権が7日、東京体育館で開幕した。8日に女子団体総合予選を行う日本は、国立代々木競技場で最終調整。昨年のロッテルダム大会でエレガンス賞を獲得した田中理恵(24=日体大大学院)は、心酔する歌手・浜崎あゆみのバラード「WhO…」などを聴いて、高ぶる気持ちを抑え大舞台に臨む。この日の同種目予選では、ルーマニアが合計227・228点で首位に立った。

 闘志を内に秘め、田中が静かに決戦への準備を整えた。床運動のターンを中心に1時間半の最終調整。鶴見と並ぶ日本女子のエースは、「ワクワクしています。笑顔で楽しく、応援してくれる皆さんに感動してもらえるような演技がしたい」と柔らかく笑った。

 ロンドン五輪の団体総合出場権がかかる大一番。決勝進出ラインの8位に入れば、夢切符獲得だ。全4種目に登場する予選の演技順では、重圧がかかる1番手からは外れた。「順番的には落ち着いたところにいる。“自分の演技をしっかりしなさい”ってことだと思う」と自身の使命は理解している。

 試合でも練習でも、演技に入る前に欠かせない儀式がある。浜崎あゆみや西野カナのバラードを聴くことだ。その美貌からは想像できないほど、演技前は抑えきれないくらい気持ちが高ぶるという。「やる気が出てて燃えてるから、落ち着くために聴いています」。田中が特に心酔する浜崎は、08年に左耳聴覚を失ったことを告白。「耳も悪いのに、そういうふうに感じさせない。乗り越えていってる」。試合で逆境に陥っても諦めない。美しく華麗に、田中が日本女子をけん引する。

 ▽女子団体総合 跳馬、段違い平行棒、平均台、床運動の4種目で行われる。予選は5人が演技し、上位4人の合計点で順位を決定。上位8チームが進出する決勝では、3人が演技して3人の合計点で争う。団体総合の予選は個人総合と種目別の予選も兼ねる。

 ▽団体総合のロンドン五輪への道 五輪出場枠は12で、今大会の団体総合予選で上位8チームに入って決勝に進出すれば、団体総合の出場権を獲得。予選9~16位のチームが来年1月にロンドンで行われる最終予選で残る4枠を争う。日本代表は来年の国内選考会で選ばれる。

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