遼、米ツアー初Vへ猛チャージ!通算11アンダー2位

[ 2011年8月7日 06:00 ]

1番、バーディーパットを決め、声援に応える石川遼

ブリヂストン招待第3日

(8月6日 米オハイオ州アクロン ファイアストーンC=(7400ヤード、パー70)
 石川遼(19=パナソニック)が米ツアー初優勝へ猛チャージを見せた。ボギーなしの6バーディー、64で回り、通算11アンダーにスコアを伸ばした。第2日に米ツアーで3度目となるイーグルを奪うなど68でまとめて通算5アンダーとし、第3日は首位と3打差の10位からスタートし、一気に1打差の2位に浮上した。タイガー・ウッズ(35=米国)は36位だった第2日からスコアを2つ落とし、通算1オーバーで第3日を終えた。

 ムービングデーの第3日。石川は驚異のチャージを見せた。まずは1番パー4。右ラフからの第2打をピン左10メートルに運んだ。このロングパットのラインを読み切るとジャストタッチで沈め、バーディー発進。さらに4番パー4で今度は7メートルを沈めて2つ目のバーディーを奪った。6番でも第2打を80センチにつけてバーディー。好調なパッティングで順調にスコアを伸ばした。

 「ミスをしても、スコアが良くても、心に波を立てずにゴルフができている」。8番、9番は第1打を右に曲げ、いずれもパーオンを逃しながらアプローチで寄せてしぶとくパーを拾った。結果を求めず自分のスイングだけに集中した姿勢がハーフ32につながった。

 第2日までは苦手としていたインでも勢いは止まらない。10番では左ラフからの第2打を木の枝の下を通す低い弾道で花道から転がして2メートルにつける絶妙なショット。ここでもバーディーを奪うと、12番のパー3でこの日5つ目のバーディーを奪った。米中継局も急きょ、石川をカメラで追う中、17番でもバーディー。通算11アンダーまでスコアを伸ばし、首位に1打差の2位に浮上した。

 石川を勢いづけたのが第2日の2番パー5のイーグルだった。ボールが視界から消えるとグリーン周りで歓声が湧き上がった。第3打はラフから打ち上げの82ヤード。グリーンは見えなかったが、観客の反応がカップインを教えてくれた。「満足いくショットだったけど、入ってくれたのは大きなラッキー」。次の3番では右のセミラフからAWで放った第2打をピン左2・5メートルにつけてバーディーを奪った。第2打は「オーバーするかと思ったけど、思ったよりスピンがかかって止まった」。先週から使用する新ボールはソフトな感触で食いつきがよくスピン量が増える。この新ボールが第3日もアプローチの際に威力を発揮した。

 米ツアーで第2ラウンドを終えてトップ10にいるのは2位で予選を突破した昨年の全米オープン以来。優勝争いの中で残り36ホールを戦うことになったが、目の前の一打に向かう研ぎ澄まされた集中力が石川の快進撃を後押しした。

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