星風 徹底抗戦へ「行列…」の北村弁護士起用

[ 2011年4月15日 06:00 ]

会見する星風と北村晴男弁護士(右)

大相撲八百長問題

 日本相撲協会は14日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、八百長関与を認定されながら「引退勧告」に応じなかった元幕内・蒼国来(荒汐部屋)と元十両・星風(尾車部屋)に退職金の出る「解雇」処分を通告した。2人は理事会後にそれぞれ都内で会見を開き、相撲協会に対して法的措置を講じることを明言。元星風は日本テレビ系列の人気番組「行列のできる法律相談所」に出演している北村晴男弁護士(55)とのタッグで“徹底抗戦”に打って出る。

 相撲界を揺るがした八百長問題は、ついに法廷の場に持ち込まれることになった。理事会で解雇通告を受けた元星風は、東京・霞が関の司法記者クラブで会見に臨み「(八百長は)やってないんでこれから裁判で証明する。土俵に戻りたい気持ちがあるんで」と相撲協会と“全面対決”することを宣言した。

 元星風の隣に座った北村弁護士は「大相撲が日本の国技と言われるにふさわしい存在になってもらいたい」と決意を表明。続けて、来週中に東京地裁に地位保全の仮処分申請を行い、その後、解雇無効を求める本訴に打って出る方針を明かした。

 北村弁護士は、特別調査委が行った調査に関し「客観的な証拠の吟味を怠っている」「元星風に(無実を)反証する機会を与えなかった」「第三者が述べていることのみを証拠としている」「クロと決めつけての調査」――の4つの不備を指摘。「一般論として、人間はどのような場でも誘導とか影響力の行使などを受けて真実と違う供述をする。検証しないといけない」と調査の“ずさんさ”を追求していく構え。また、相撲協会が支給することを決めた退職金220万円については「現時点で退職金としては受け取るつもりはない。4月、5月の給与として受領する意思表示をする」とした。

 元星風は自らの意思で法廷闘争に持ち込むことを決断したことを強調したうえで、最後に「土俵に早く戻りたい」と訴えた。テレビでおなじみの弁護士を味方につけた27歳の闘いが始まる。

 ▼尾車親方(元大関・琴風)弁護士がつくのは知っていたが、会見は直前まで知らなかった。元師匠としては望んだ形ではないが本人の思いを晴らすなら仕方ない。星風本人は迷惑をかけてすいませんと言っていた。私は推移を見守るしかない。

 ▼特別調査委員会伊藤滋座長(早大特命教授)特別調査委員会の日本相撲協会理事会への答申は、厳正な調査を踏まえたものであり、認定事実は証拠に基づいて行っています。

 ◇北村弁護士が指摘した八百長調査の不備

 (1)客観的証拠の吟味を怠った。
 ※元星風は携帯電話や手帳の提出に快く応じようとしたが、最終的にそれを求められなかった。

 (2)千代白鵬が元星風と八百長を行ったという自白についての証拠の吟味を怠った。
 ※千代白鵬が自白した後、元星風への聴取は1度だけで、専門科の助力を得て反証する機会を与えなかった。

 (3)第三者の供述のみを証拠としている。
 ※刑事訴訟で共犯者とされる人の自白は数々のえん罪を生んできた。

 (4)はじめからクロと決めつけた調査。
 ※公平な裁判官は白紙の状態で真理を判断する。素人にそういう印象を与えるのは間違い。

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2011年4月15日のニュース