茨城の生家被災…片山“魂の65”首位発進!

[ 2011年4月15日 06:00 ]

6アンダーで首位タイ発進の片山

東建ホームメイトカップ第1日

(4月14日 三重・東建多度カントリークラブ名古屋=7081ヤード、パー71)
 片山晋呉(38=フリー)が1イーグル、4バーディーの65で回り、6アンダーで首位に立った。東日本大震災で茨城の生家が半壊する被害に遭いながらも気持ちを切り替えて3年ぶりの首位発進。同じく3年ぶりとなる復活優勝に向けて最高のスタートを切った。石川遼(19=パナソニック)は4バーディー、3ボギーの70で1アンダーの34位。昨季賞金王の金庚泰(キムキョンテ)(24=韓国)が片山と並んで首位、池田勇太(25=日清食品)は4アンダーで5位につけた。
【第1R成績】

 威風堂々の“王者”のゴルフだった。昨年はほとんどかぶらなかったトレードマークのテンガロンハット。今年は開幕戦の初日から出し惜しみせず、意気込みのままに片山が首位に立った。

 インスタートの10番でいきなりバーディーを奪い、12番パー5では2オンしてイーグル。ボギーなしのラウンドに「6アンダーぐらいはいかないとと思っていた。いいプレーができた」とさらりと振り返った。

 09年にマスターズで4位となり、永久シードも獲得した。モチベーション不足に悩んできた心に、ようやく火がついた。05年からの連続出場が途切れた今年のマスターズ。テレビ観戦していると「やっぱ見るものじゃなく、やるものだな」と悔しさが募った。今季は「僕が一番がむしゃらで勝ちたかった時期を知っている」という大溝雅教キャディーを11年ぶりに起用。シーズン5勝を挙げ、初の賞金王に輝いた00年以来の“相棒”からも「もっとガツガツした方がいい」とオフの間から言われ続けてきた。

 震災の影響もある。すでに水1トン、乾電池約1トン(約4万個)、大量の毛布などを支援物資として被災地に送っているが、片山自身も茨城県筑西市にある生家が地震で半壊した。すでに家は取り壊して更地に変わった。プロ入りして「25勝」と目標を紙に書き、天井に張り付けていた自室もなくなってしまった。最近はほとんど空き家状態にしていたものの「凄く寂しい思いをした」というのが正直な感想だった。

 「いつも一生懸命だから勇気を与えるプレーといっても変わりはないけど、そういう思いを持ってやっていくことが大事だと思う」。生家は消えようとも、そこで築き上げてきた片山晋呉のゴルフは健在。そのプレーには復興を願う気持ちと復活に懸ける思いがにじんでいる。

 ▼1位金庚泰 時差ぼけと前日のプロアマ戦に出た疲れもあったので、あまり欲を出さずにいこうと思った。運良く1番でバーディーが来て気が楽になった。(昨年の賞金王。ボギーなしの6バーディー)

 ▼8位藤田寛之 スコアとしてはまあまあですけど、内容はガチャガチャだから先が見えなくて不安ですね。(マスターズ帰り。12番から4連続バーディーを奪うも、3ボギーを反省)

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