実家全壊した教え子も…清宮新監督「被災された方を支援したい」

[ 2011年3月17日 12:03 ]

磐田市・渡部市長(左)と握手を交わすヤマハ発動機・清宮監督

 ラグビートップリーグ(TL)ヤマハ発動機の清宮克幸新監督(43)が16日、静岡・磐田市役所に渡部修市長(59)を表敬訪問した。早大、サントリーを日本一に導いたカリスマ指揮官は4月の始動を前に、チーム立て直しとともに、磐田の新たな「顔」として地域貢献活動にも積極的に取り組む姿勢を示した。

 強い使命感がにじみ出ていた。渡部市長と握手を交わした清宮監督は「素晴らしい環境で、日本中に元気を発信できるよう努力したい」と、新天地に懸ける決意を口にした。10月下旬の開幕に向けて、トップリーグ11位で入れ替え戦の末、残留した昨季からの巻き返しを目指す一方、地域に根ざした活動にも意欲的に取り組む。渡部市長とは市の広報誌用に4月中旬にあらためて対談する予定。市に関連する催しにもできる限り協力する意向で、スポーツ全体の普及にも力を注ぐ姿勢を示した。

 「ラグビーをやる意味には、多くの人たちと夢や勇気を共有することも込められている。チャンスがあれば、被災された方々への応援となるようなこともやりたいと思っています」。清宮監督は単身赴任。東日本大震災で、東京に残した家族は無事だったが、実家が全壊してしまった早大監督時代の教え子もいる。県内でも前日15日夜に富士宮市で震度6強などの地震が起きたばかり。清宮監督も心を痛めながら、明るい話題提供など少しでも被災者を励ますことができれば、との考えも持つ。

 「オーラがある」。念願の対面が実現した渡部市長は目を細めながら「一緒になって町おこしをしていただきたい。こちらとしても、できることは何でもします」と熱烈エール。清宮監督も「トンボとサッカーのまち、という磐田(のキャッチコピー)にラグビーのまち、を加えるのが近い目標」。今季トップリーグではホーム・ヤマハで、最大4試合開催の可能性がある。サポーターで埋め尽くされたスタンドを思い描き、新たな挑戦へ意欲をかき立てた。

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2011年3月17日のニュース