マリリン「正しさ」再確認…古巣チーム青森撃破

[ 2011年2月12日 06:00 ]

チーム青森の近江谷(右奥)、山浦が見詰める中、ストーンを投じるロコ・ソラーレ北見の本橋(左端)

カーリング日本選手権第4日

(2月11日 北海道・名寄サンピラーパーク)
 女子の1次リーグ最終戦で本橋麻里(24=NTTLS)率いるロコ・ソラーレ(LS)北見が“古巣”チーム青森と対戦。6―3とリードした最終エンド途中でチーム青森がギブアップし、LS北見が7戦全勝で1次リーグ1位を決めた。今季から活動を始めたLS北見は、これで女子の大会で公式戦21連勝無敗。12日に行われる決勝進出決定戦では1次リーグ2位の中部電力と対戦する。

 大会5連覇中の古巣を撃破した瞬間、シートの上でチームメートと抱き合って喜んだ。自らの意思で青森を離れ、故郷・北見市でつくった新チームは、初対戦で女王を撃破し、1次リーグを全勝で通過。スキップとして勝利を呼び込んだ本橋は「前のチームのことだということより、チームを離れて成長した部分を見せられたらいいな、と思っていた」と目を細めた。

 成長を体現したのが、5―2とリードして迎えた第8エンドだ。チーム青森の赤いストーンがハウスの前部分をブロックしている状態での、スキップ本橋のラストショット。ゆっくりとカーブを描きながら、ハウス中央へのドローショットを決めて、1点を死守した。「ドローショットがうまくいってなかったけど、あとはみんなを信じて投げた。自分が相手だったら、ダメージは大きかったと思う」

 日本代表=チーム青森の時代を支え、カーリング界の代名詞として成長した。しかし「自分にプレッシャーをかけすぎた部分もあった」と振り返る。故郷で新チームを結成する決断を下したのは、昨年夏。強化費もチームとしての経験も青森時代に比べれば少ない。だが「こんなにカーリングって楽しくできるもんだ、と。今は“きょうはどんなことが起こるんだろ”と試合が楽しい」と、自らの決断の正しさを再確認した。

 これで昨秋の公式戦デビュー以来、女子の大会では21連勝で負けなし。「個々のカラーが出せるのが、私の理想のスキップ」という24歳にとって「緊張せずに自分たちのゲームができる」(江田)というチームは、その理想に近づきつつある。「勝利が全てではない」とはっきりと言い切った本橋は、さらに続ける。「いろんな人に助けてもらっているし、その恩返しができるのはまず勝利です」。初出場初優勝の快挙まで、あと2勝。輝いている笑顔が、その可能性の高さを物語っていた。

続きを表示

2011年2月12日のニュース