日本 韓国に快勝!28年ぶり準決勝進出

[ 2010年11月10日 06:00 ]

<日本・韓国>ストレートで韓国を破ってベスト4進出を決めて喜ぶ(左から)木村、江畑、竹下ら日本

 女子バレーボール世界選手権第8日は9日、国立代々木競技場などで行われ、2次リーグE組の日本は韓国に3―0でストレート勝ちし、通算5勝1敗で同組2位以上が確定して準決勝進出が決まった。日本の世界選手権4強以上は82年大会以来、28年ぶり。就任2年目の真鍋政義監督(47)が取り組んだ「ジャパン・オリジナル」で韓国を翻ろうし、32年ぶりのメダル獲得に大きく前進した。10日はロシアと2次リーグ最終戦を行う。

 2次リーグ最大のヤマ場と思われた韓国戦は、付け入るスキを与えない快勝だった。敗れればメダルが厳しくなるライバルとの一戦にストレート勝ち。28年ぶりの4強を決めた真鍋監督は「安心して見ていられた」と笑顔を隠さなかった。

 韓国のエース金軟景を抑え、先発の平均身長で7・7センチも上回る相手ブロックをどうかわすかがポイントだった。VリーグのJT所属の金軟景のことは知り尽くしているが、1メートル92の「アジアNo・1アタッカー」を止めるのは簡単ではない。カギはサーブだった。

 真鍋監督は逆説から戦術を導き出した。「サーブレシーブが安定している韓ソンイを中心に攻める」。長所を消せば崩れるのは早い。就任直後から全員に課してきた変化の大きい「ジャンピングフローターサーブ」が真価を発揮した。サーブ得点は韓国2点に対し日本7点。竹下は「金軟景に行く前にサーブで崩れてくれた」と振り返った。

 攻撃では竹下のトスワークがさえた。最初はセンター攻撃を少なくし、徐々に増やして変化をつけた。しかも、5得点の山本だけでなく、所属の岡山ではセンターのライト・山口も中央で使い、4得点。サイドも木村に偏らせず、対角の江畑のバックアタックを織り交ぜた。真鍋監督は「竹下の妙」と絶賛した。

 そして日本に欠かせないレシーブも粘り強かった。サーブ、速く多彩な攻撃とレシーブが一体となった戦略の上に、以前はなかったデータを駆使する戦術が「ジャパン・オリジナル」の真骨頂。メダル争いの指標となる重要なロシア戦。ベンチでもiPadを手放さない指揮官の下、日本がメダルを見据えた戦いに臨む。

 ≪江畑2戦連続チーム最多得点≫江畑がこの日も21得点を挙げ、2試合連続でチーム最多得点。スパイクの得点からミスの失点を引いて算出される効果率が40%以上と高く、真鍋監督は「機械の間違いじゃないかと、途中で確認した」と笑うほどの“大当たり”だった。江畑自身も「きょうは出だしが良くなかったけど、リズムを取り戻せて良かった。絶対負けたくなかった」と満足そうな表情を浮かべた。

 <韓国 守備乱れ4位に後退>勝てば4強進出の可能性もあった韓国だが、守備が乱れ、ストレート負け。朴三龍監督は「第1セットは(22―22まで)競れたのに、セットが獲れなかったのが大きかった」と出だしの競り負けを悔やんだ。これで2次リーグは4位に後退。「試合にミスはつきものだけど、基本的なものが多かった。特にサーブレシーブはもう一度立て直したい」と同じメンバーで臨むアジア大会に気持ちを切り替えていた。

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2010年11月10日のニュース